オノレ日記帳

2004年7月の記録



  夏休み&サッカー「日本×ヨルダン」戦
Date: 2004-07-31 (Sat)

 アッという間に七月も終わりである。
ホンマ、暑い暑い七月であった。
「小さな家と五人の紳士」を製作・演出したオノレにとっては、
その暑い日々の中で、さらに熱くなった七月であった。
おかげでオノレのフトコロだけはだいぶスズシクなった七月でもあった。
 八月は声の仕事一筋である。秋の新番組、アニメのレギュラーも、
有難いことに二つばかりお話を頂戴しとる。
しかしチュクチョク間際でバレル(話がご破算になる)から、
完全に決まったら公表させていただきますデス、ハイ。
 私的には二、三日夏休みをして都会を離れたいナ…と思っているのだが、
どこで休みがとれるかまだわからん。静かな山間の空気の中で、
(トンカチ、いやカナズチのオノレは海が苦手なのである)
大芸術家にでもなった気分で、
来年の芝居の構想なんぞをじっくり考えたい…オノレはそう思っとるのだが、
「けっきょくボケーッと飲んでるだけで終わるんでショッ!」とヤマノカミ。
 たく、結果としてそうなってもだナ、そうなる前に言わんといてくれやッ!

 夜、テレビでサッカーAFCアジアカップ準々決勝、
「日本×ヨルダン」戦を観た。
いやはやモノスゲェー試合であった。
オノレはサッカーは余りよくわかッとらん。
何度テレビで観ていても、オフサイドがどうしてオフサイドなのか、
どうもわからんまま終わってしまい、未だにわからん。
そんなサッカー音痴のオノレでも、
今日の試合は最後まで興奮してテレビを観とった。
 とくに延長でも決着がつかず、
決着をつけるため行われたPK戦、
そのあまりの凄さに思わず笑ッちまったほどである。
 一番手、二番手の日本選手二人がゴールを外して万事休す、
完全にヤラレタワイと思ったのに、
最後の最後に逆転、何と日本は勝ってしまッた!
 やはりスポーツも偉大なドラマである。
そして人間、どんな苦境に陥っても、決して諦めてはいかん、
最後の最後まで己の持てる力を出し切り頑張らにゃアカン…。
かような教訓と勇気をオノレに与えてくれた、
今夜の日本とヨルダンの試合であった!
 さて舞台創造の過程において、
劇的一発逆転のドラマがあるかどうかは甚だ疑わしい。
が、いずれにしても奇跡をよぶのは日頃の精進の賜物であろう。
決して偶然でも奇跡でもないはずである。
これを肝に銘じて、オノレも日頃の努力を惜しまず、
役者としての修行をチャンとせにゃアカンナ…と重々承知しとるんだが、
やっぱり怠けッちまうのでありますなあ。


  「エキスポ」観劇
Date: 2004-07-30 (Fri)

 劇団道学先生「エキスポ」(作・中島淳彦 演出・黒岩亮)の再演を、
紀伊国屋ホールで観てきた。
初演とはいくらかキャストが変わり、演出も変わり、劇場も変わった。
肩の凝らない笑える芝居なのであろうが、あまりオノレ好みではない。
客席はけっこう受けて笑ッとりましたが、
笑いを誘発させる根っこが浅いので、オノレはそんなに笑えんかった。
素直に芝居を楽しむ姿勢がオノレに足らんのかも知れんが、
どうもドタバタにちかい性質(タチ)の笑いは、オノレのタチに合わんのだ。
創り手が意図的に客を笑わせようと企んで、
その作意を客に見破られず気持ちよく笑ってもらうのは、
実に難しい所業ダナ…と改めてオノレは思った。
しかし「エキスポ」はさておき、中島淳彦という人は、
なかなか力のあるタッシャな劇作家なのである。
「無頼の女房」とか「ザブザブ波止場」とか、
オノレ好みのオモロイ芝居もいくつか書いとる。
中島流「芝居のツボ」というか、
劇作術をしっかり持って創作しとるセンス抜群の作家だ。
 さてさて「エキスポ」には、オノレが大好きな女優、
大西多摩恵チャンが初演に引き続いて出演しとる。
彼女はやはり素晴らしかった。抜きん出てヨカッタ!
腰を痛めとったらしいのだが、それを微塵も感じさせず、
チャントした動きとメリハリのある台詞、透る声。
ホンマ、彼女の演技を観ただけで、この舞台を観てヨカッタなと、
実は満足しとったオノレなのである。


  雨だッ!
Date: 2004-07-29 (Thu)

 雨だッ!
台風のおかげで雨だ。
昨日までは汗でビショビショ。
今日は雨でビショビショ。
今朝の散歩で、
オノレは天に向かって両手を差し出し、
子供のように嬉しくなって飛び跳ねた。
カラスもウレシソウに飛び跳ねとった。
けどさ、これ以上は暴れんといてや、
台風ドノ…。


  集団創造の悦び
Date: 2004-07-26 (Mon)

 今年「小さな家と五人の紳士」公演を企画し実現したオノレとしては、
この機会に一人でしている独演・独談活動とは別に、
いろいろな役者やスタッフをオノレがプロデュースして、最低、年に一度、
集団での演劇公演を実現させたいと思っとる。
で、ふと考える…。
この八月、嫌イヤ還暦になっちまうオノレは、なぜ今更、
たぶんヤヤこしく面倒でゼニにならん集団の芝居をしたいと思うのであろうか…。 
 一個人の力でプロデュース公演を実現するのは、ホンマ大変である。
「小さな家と五人の紳士」は、
出演した二人の役者さんがオノレと一緒に上演実行委員になってくれ、
赤字の負担が大分軽減されたのであるが、それでもイロイロ大変であった。
これがオノレ一人で全責任を負い集団芝居を実現するとなると、
責任の大きさはもちろん、諸々の苦労はドエライコツチャ。
商業演劇や劇団組織とちがい、オノレ一人の力で出来ることはタカガ知れとる。
公演規模にはかなりの限界があるし、大赤字を出すわけにもいかん。
ギリギリの予算の中でミットモナクナイ舞台を創らにゃならんのだ。
公演PRもオノレの知人、出演者・スタッフたちの知り合いが頼りだ。
新聞の演劇担当・演劇雑誌などには、
もちろんこちらから情報を発信するのだがナカナカとりあげてはもらえん。
(「小さな家と五人の紳士」も、一応各メディアへ情報を発信したのでありますが、
記事にしてくれたのは一社だけでありました…ハイ)
それより何より、かような公演規模で、
高くないギャラで出演してくれるイイ役者を探すのがタイヘンだ。
さらに低予算の中でチャント仕事をしてもらえる裏方のスタッフを探し、
平身低頭で参加をお願いする。
その他、稽古場の手配、役者のスケジュール調整、
大道具・小道具の手配、車・弁当等々…、
プロデュースしたオノレはその全てに目配りをし関わっていかにゃならん。
(もちろんこれほどのことを、オノレ一人では全て出来ない。
ヤマノカミをはじめ多くの友人・知人のアタタカイ協力が不可欠なのです)
 さて、その苦労の結果、集客も悪く、
舞台成果にも手厳しい評価をお客様から頂いたりすれば、
さすがのオノレも、タブン足摺岬で身投げしたい心境になるであろう。
なぜ足摺岬なのか?
足摺岬という地名が、今たまたま、フッと頭に浮かんだ、タダそれだけであった!
そうなのである。今後の公演結果によっては、オノレの人生も長くはない…。 
ま、同情はいらんのだが、
一応来年から予定しているオノレのプロデュース公演が実現したとしても、
個人経済的にも製作的にも大いに苦労し、
それほど割りに合わんモノであろうことはあらまし予測がつく。
にもかかわらず、オノレはオノレがプロデュースする集団創造に、
「毎年挑戦してみたい…」と思っとる。何ゆえ? オノレにとって、
「小さな家と五人の紳士」公演のために過ごした毎日は実に新鮮であった。
いろいろ刺激的な体験をオノレにあたえてくれた。
そう、一人で活動してきた独演・独談とは異なる「集団創造の悦び」を、
いまさらながらオノレは深く噛みしめたのである。
昔々、劇団にいた頃も商業演劇に出ていた頃も、
かような悦びを感じたことはなかったのにである。
これが今年に続き、来年以降も集団創造に関わりたいと思った大きな動機である。
 ところで、人と共に創る舞台を、
どうしてオノレのプロデュースでしなくてはいかんのか?
客演したり、どこぞの劇団に入ってやってもいいではないか?
否、それではやっぱりダメなのである。
 商業演劇・劇団組織・他人のプロデュース公演に於いては、
オノレの上演したい脚本はまずデキナイ。やりたい役もまずデキナイ。
演出なんてもっとデキナイ!(デキルというお話をいただければ考えます!)
ところがオノレのプロデュースでなら、それがデキチャウのだ。
カネはソンするかもしれんが、オノレのやりたい主役もデキチャウのだ。
演出さえもデキチャウのだ!!(高笑い)アタリメエカ…。
そして多分、おおいに恥ジモカイチャウのだ。(ガックリ)
 年に出来ても多分1回、しかも短期間・低予算での我がプロデュース公演。
実現していくことが可能かどうか現時点では断言できない。
しかし実現すれば、そんな小さな公演でも、
オノレが滂沱したくなるほどやさしいお客様が、
何百人かは必ず観に来てくれるであろう。
(そういえば観客一人とかゼロなんてえ日も、
独演・独談の公演ではありましたがナア…)
 で、結論。かようにやさしいお客さまがたった一人でもいる限り、
オノレのケイザイと肉体が許す限り、
オノレはオノレのやりたいモノを主演し、
演出し続けていくツモリなのだ〜ッ…!
 「小さな家と五人の紳士」公演が終わって、
オノレのあまり長くない未来を考えながら、
オノレの明日からをそんなふうに考えているオノレである。


  馬銭奴が死んだ!
Date: 2004-07-25 (Sun)

 「フィリア美術館」独談公演を終え、午後に自宅着。
帰ったとたん送信されとったFAXを読むと訃報であった。
自称「馬銭奴」というネームでHPを開いているオノレの知人であった。
 彼はこの14日、「小さな家と五人の紳士」を観てくれ、
元気にオノレと挨拶を交わして別れたのであったが、その翌日の夕方、
クモ膜下出血でアッサリあの世へ逝ッチマッタ…58歳という若さで!
 オノレは10年ほど前、行きつけの喫茶店で彼と知り合い親しくなったのだが、
プライベートな付き合いのほとんどはその喫茶店の中だけである。
それでも彼はオノレの独演・独談を、オノレと知己になってからは欠かさず観てくれ、
大いにオノレを励まし鼓舞してくれた。
とにかく酒が好きそうであったから、
いずれ飲もうと会うたび話をしとったんだが、
ついに盃を交わす機会は永遠に失われッちまった。
人間「いずれ」ですましていては、やはりイカンのである!
 とにかく知的でシャイで、チト過激なところもある不思議なヤツであった。
本業は画家であったと思うのであるが、
たぶん画家で食える画家ではなかったのではないか?
(食っていたとしたらお許しあれ、馬銭奴さんヨ)
残念ながら今日までオノレは彼の絵を観賞しとらん。
 オノレにとって驚きであったのは、
馬銭奴のHPで読んだ詩や俳句、エッセイなどモロモロの、
優れてオソロシイ独特の世界であった。
その世界を分析するにオノレはあまりに力不足でやめておくが、
馬銭奴の内で燃焼されとった文学的エネルギー、
反逆的で孤高なその創造世界はハンパなレベルではない。
そうなのだ。ハンパでないトンデモネエ男であったから、
ヤツは己の命をまで自らのぞんでハヤメに喰ッちまったにちがいない…オノレは何となくそう思う。
 馬銭奴さんよ、いずれオノレもソチラへ逝くから、
そのとき酒を飲む約束を果たそうナ。
「あの世になんていくもんか。俺は無に返っただけである」
 そんな馬銭奴の声が聞こえてくるような気もするんだが…。

 馬銭奴HP http://homepage3.nifty.com/bazenu/



  「フィリア美術館」で精一杯!
Date: 2004-07-24 (Sat)

 今日は山梨県小淵沢の「フィリア美術館」ギャラリーで、
「アカシアの町」の公演である。
 フィリア美術館はなかなかシャレた素敵な建物で、
ギャラリーホールも雰囲気のある芸術的空間になっとる。
定期的に美術館主催のコンサートなどをしているようだが、
オノレのような芝居ッポイものをやるのは初めてらしい。
主催者の期待を裏切らぬよう、
何よりも観てくれるお客さんをガッカリさせぬよう精一杯頑張る。
 オノレはオノレの舞台をするとき、この「精一杯」という言葉をどうもよく使う。
つまりこれはオノレにとって大変ありがたい言葉なのである。
「精一杯」という一言の中には、
「オノレの力の限り」という肯定的意味がふくまれており、
かつ「これ以上はできません」という、
オノレの力の限界を示唆する意味もふくまれておる。
さよう、役者としてオノレはオノレの実力以上の表現はタブンできないのである。
で、オノレ精一杯の表現で、今夜オノレはフィリアの舞台に立たせていただく!

       「フィリア美術館」HP
http://www5.ocn.ne.jp/~philia/


  「ぼくの名犬テンペスト」
Date: 2004-07-23 (Fri)

 昨日は終日洋画の吹替えでスタジオの中。
「ぼくの名犬テンペスト」というイタリア映画。
この八月中にDVDで発売されるらしい?
原音のイタリア語ではなく英語の吹替え版でアテレコしたのだが、
これがけっこう雑で、役者の口と台詞があちこちズレとる。
で、何だかアフレコしてるような感覚で吹替えるハメとなった。
 映画は、名犬と初老の売れない役者と少年の友情物語…、といったところか。
後半、泣かせどころもあるヒューマンな映画だ。
で、オノレはその売れない役者を吹替えて、チト身につまされナキましたです、ハイ。
もっともオノレがもっとナイタのは、
オノレの役に歌うシーンがあったことである。
演出から「歌もオノレが吹替えておくれ」という厳しい御達し!
音痴のオノレは七転八倒でチョウ捻転…いやもうナケタ、ナケタ!
 ところで芝居の公演があったり何やかやで、
およそ二週間、車を動かしとらん。
この暑さでバッテリーが上ッてたらエライコッチャ。
明日は小淵沢まで、独談「アカシアの町」公演の道具を載せて行かにゃならん。
動くかどうか歌いながらテンケンだッ!


  「アカシアの町」フィリア美術館
Date: 2004-07-21 (Wed)

 「小さな家と五人の紳士」の公演が終わり、
オノレはこの二日間、チト虚脱状態であった。
とはいえ千秋楽翌日から声優の仕事をさせて頂き、
それはチャントしたつもりだが、
舌が出そうな猛暑が続き、この肉体は相当疲れきっていたようだ。
電車に乗ればすぐ眠ッちまって乗り越すし、
喫茶店で支払う金勘定の計算は間違うしで、
我が脳ズイの呆けかたはそうとう危険な状態であった。
まあ、本日三日目にして少し正常になったような気がする。
今日はこの24日、山梨県小淵沢町のフィリア美術館で公演するオノレの独談、
「アカシアの町」の通し稽古をチヤント二度もできたのであるから…。
 1年3カ月振りの「アカシアの町」公演とはいえ、
せっかく招かれて舞台に立つからには、
以前にもまして充実した独談にしなければアカン。 
無事終わった芝居の心地よい疲れに、
いつまでもボケ〜ッとしているわけにはイカンのだ!


  いよいよ千秋楽だ!
Date: 2004-07-18 (Sun)

 「小さな家と五人の紳士」いよいよ千秋楽だ!
そして夜は打ち上げ。今は午前九時。
オツカレサンを言うにはまだ早いが、オノレは今晩日記を書き込めそうにない。
で、ちょいとハヤメに関係者の皆様、いろいろ協力していただいた方々、
そしてなにより猛暑の中、足を運んでこの芝居を観に来てくれたお客さまにハヤメの挨拶をする。
「心からありがとう、ほんとうにお疲れさん!」


  「矢印計画」の若者
Date: 2004-07-17 (Sat)

 本日「小さな家と五人の紳士」の公演に、
名古屋から四人の若者がわざわざ観に来てくれる。
 彼らは「矢印計画」というグループを主宰し、
自分たちで製作したドラマをインターネット上で公開したり、芝居もしとる。
 去年、オノレは光栄にも上京した彼らから取材され、その実直で潔く、
明るく礼儀正しい姿に一目でヒトメボレしたのであった。
 厳しい経済・生活環境の中、
グループを維持し創造活動を続けるのがいかに大変か…オノレにはよく分かる。
人に言えぬ悩みや苦労があろう。失敗や対立、挫折もあろう。
しかし去年会ったグループの中心メンバー二人から、
受身の暗さや蔭をオノレはそれほど感じなかった。
むしろ厳しい現実に前向きに立ち向かう若者の、潔よい明るさが漲っておった。
オノレはまるでキョウダイのごとき感情の中で、(ムスコのごときではない)
気持ちのよい時をしばし過ごした。
その彼らと一年振りの再会である。
 今夜、オノレは終演後、彼らと美味い酒を飲みながら心地よく酩酊し、
キョウダイのごとく甘えて、たぶんイロイロ迷惑をかけるであろう!

     http://homepage3.nifty.com/ashita/
      矢印計画のHPアドレスである。


  嬉しい悲鳴
Date: 2004-07-16 (Fri)

 昨日、夜の公演は予想以上に当日券の客が来て満席。
入りきれるかいなとハラハラ・ハラハラ…オノレは嬉しい悲鳴をあげた。
お客さまに迷惑をかけぬよう、座席の配置をもう一度見直す必要がある。
 その夜の舞台はとてもヨカッタとオノレは感じたが、
マチネーはこれまでで一番ヨクナカッタ。
幕開けからしばらく、芝居がツルツル滑って、
大切な台詞が大切に客席へ届かぬまま進行したのである。
初日、二日と無事終わり、ナカナカ濃い客席の反応に、
役者もオノレも安心し、チト気が緩んだのかもしれん。
我々の創った舞台とお客さまとの関係は、その日その日、一期一会。
一回一回、初日のような気持ちで舞台創りをせにゃイカン。反省!
 


  オノレはホメラレたいのだ!
Date: 2004-07-15 (Thu)

 昨日の夜の公演に親しい声優とディレクターが来てくれて終演後飲んだ。
普段、芝居に関し決して甘口ではない二人であったが、演出の本人を前にして、
率直に、正直に、(ここのところが大切なのです)十分すぎるほどホメテくれた。
オノレは舞い上がり、まことに美味い焼酎を飲んだ。
 そうなのだ。オノレというヤツは結局人からホメラレタイのだ! 
役者であろうが、演出であろうが、声優であろうが、
「ヨカッタ!」とホメラレタイがためにしているのだ。
つまりそれほど高尚な理念や思想があってしているのではナイノダ。
 他の役者や演出家ッてどないなんじゃ? 
どんなに有名でエライ連中でも、ケナサレルよりホメラレたほうがヨイのであろうなあ…。 
 珍しくホメラレて、あらためてオノレの本性を知ることになったオノレであったが、
キビシイ、辛口の評価をもらうのが決して嫌なわけではない。
それはそれでアリガタイのであるが、ウレシクはないというだけである。
 こんなに美味い酒が飲めるなら、
「ホメゴロシされてもイイ…」とさえ思った昨夜のオノレであった!


  素晴らしい初日の舞台成果!
Date: 2004-07-14 (Wed)

 昨夜、「小さな家と五人の紳士」初日が終わった。
役者にも音響・照明にもいくつかのトチリがあった。
しかしそれを越えて素晴らしい初日の舞台成果であったとオノレは思っている。
 この猛暑の中駆けつけてくれたお客さまの反応もなかなか良かったとオノレは感じた。
終演後けっこう集まった感想アンケートを見ても、
五段階評価の下位(観るのではなかった・入場料を返せ!)
二つの評価に○をつけた人は二人だけであった。
上位、(大変面白かった・面白かった)
二つに○をつけて頂いた方が大半であった。
無記名でよいアンケートであるから、
この評価はそうゴマスリの評価にナットランとオノレは信じとる。
 観てくれた親しい女優さんから、終演後、思わぬ感想を聞くことができた。
かいつまんで彼女の感想を記しておく。
「かつて自分も別役作品に出演し、またいろいろ観たうえで、あまり良い印象がない。
演じる立場としては難しく、観る立場としては難解な作品が多かった。
今日の舞台は内容も分かりやすく面白かった。そして何より“美しい”と感じた。
不思議な透明感のある美しさであった…」
 この芝居から“美しい”という言葉を感想としてもらえるなんて、オノレの予想外であった。
それはオノレにとって励みになる、心の底から悦びを感じる、“美しい”感想であった!
 初日は多分役者諸氏より、演出のオノレやスタッフの方が緊張してたのではないか。
そう思うほど、稽古で積み上げてきた創造を、役者は落ち着いて精一杯表現しとった!
 千秋楽まであと九回の公演、最後まで手抜きなしで、悔いのない打ち上げにしたいものだ。
美味い酒を飲むためにも!


  小さな家と五人の紳士
Date: 2004-07-13 (Tue)

 ついに初日だ!
肝っ玉の小さいオノレは昨夜あんまり眠れんかった。
しかし商業演劇や大劇団とは一味ちがう、
オモロイ舞台になったと、オノレは思っている。


  アットいう間の一月半!
Date: 2004-07-12 (Mon)

 昨日、「小さな家と五人の紳士」の稽古が終わった。アットいう間の一月半であった。
初めてに等しい演出の経験はいろいろな創造的発見をオノレにもたらしてくれた。
オノレにその機会を与え、支えてくれた役者諸氏、関係スタッフに感謝しきれぬほどの感謝をしている。
おかげで本番でもナカナカの舞台成果をあげられる…と、今オノレは自信をもっとる。
 今日は一日道具の搬入と仕込み。そして当たり稽古だ。
そして明日、ゲネプロをしてからいよいよ初日の幕が開く。
 オノレの弱い心臓は、徐々にワクワク・ドキドキと昂揚し、血の流れを速めとる!


  「みずみずしい命」
Date: 2004-07-11 (Sun)

 参議院選挙投票日。オノレはこれから投票に行く。
市議選から国政選挙まで、かつてオノレが棄権したのはたった一度しかない。
貧乏性の故か、ケチなお上が珍しく与えてくれとるアリガタイ「権利」を放棄するのは、
大いに「ソン」をするような気がするのだ。オノレは「ソン」をするのはサケタイのである。
 そして今日、「小さな家と五人の紳士」の稽古打ち上げ。
この芝居には、政治や社会的問題の告発といったものが直截に描かれているわけではない。
しかしオノレは稽古を積み重ねるにつけ、この芝居の底にある強い今日性に驚いとる。
25年も前に生まれたこの芝居の世界は、旧さの微塵もなく、
「みずみずしい命」を宿して現代に生き残っておる。
今回観ていただける御客様に、この「みずみずしい命」をより強く感じ取っていただければ、
オノレの演出はマズ成功だと思っとる。
 皆様、是非「みずみずしい命」のご確認を!


  プロ野球の未来はない!
Date: 2004-07-09 (Fri)

 朝日新聞の朝刊「私の視点」に、
オリックス・オーナー宮内氏の投稿が載っている。
「プロ野球再活性化の三つの課題」として、
(1)赤字経営の対策。
(2)ファン層を厚くするための方策。
(3)長期展望での改革。
 という課題をあげて自身の考えを披瀝しておる。
 オノレは広島ファンで、かつて優勝した頃はずいぶん熱狂し、
広島球場にまで応援に行ったこともある。
しかしここ何年、日本のプロ野球にたいする熱は、
冷蔵庫に閉じ込められたかのように冷えこんどる。
で、もっぱら観るのは大リーグ!
 なぜかくのごとくオノレのプロ野球熱は冷めちまったのか?
 宮内オーナーの投稿を読むと、
 「ハハ〜ン、こういう考えのオーナーたちの集まりだから、
オノレのように、かつてマズシイ財布をはたいてでも
球場に足を運んでいたアリガタイファンが、
どんどんソッポを向いちまッたんだ!」
 とナットクがいく。宮内オーナーの考えには、
球団経営の立場から生まれる理屈ばかりが目立つ。
企業として黒字経営も大切であろうが、
その前に大衆の娯楽、文化としての野球があるのではないか?
 「大企業の利潤追求ばかりではない証として、赤字覚悟でも
その育成・発展に寄与していこう」
 という高邁な精神が、宮内サンの投稿からはうかがえないのである。
 オノレの考えでは、プロ野球の経営なんてえのは、
ハナッから黒字を求めて始める「ショウバイ」ではアカン!
本業で儲けた黒字を社会に還元するボランティア的イベントなのだ。
それによって良い企業イメージを高め、
それが大衆の信頼を得て本業の利潤につながる…
かようなプラス・マイナスの循環で大衆に奉仕する赤字覚悟の
「ショウバイ」なのではないか? 
であるからして、赤字がいやで、それが出来ない企業は退却し、
出来る企業に道を開けて譲ればいいのだ。
しかも今、声を上げとる企業があるではないか!
 宮内オーナーの認識には、
この「大衆に寄与する」という視点がおよそ希薄である。いや、見失ッとる!
お宅らの商売も、その大衆あっての利潤ではネエノカイ?
さらに現場の選手、スタッフ、
もっとも大切なファンの側からの視点をなぜか無視しとる。
 昨日、渡辺某とかいう大新聞・大球団のバカタレオーナーは、
プロ野球の今後を憂う選手会長の古田氏の発言に対し、
「たかが選手が何をノタマウ」 と、ノタマワレタようである。
コイツは選手を己の奴隷のごとき存在だとでも思っとるのか?
コイツのような、どこぞの国の独裁者でもあるかのように傲岸不遜で、
己と己の支配する企業の利益優先でモノを考える輩が、
今のプロ野球を牛耳り翻弄しとる。
コイツを始めとする大企業のオーナーたちが、
呆れかえるほどファンや選手の存在を無視し、
時代錯誤の発言をくりかえしとる現状に於いて、
「プロ野球の未来はない!」
 これがオノレの希薄な脳ミソで出せる、
現在のプロ野球に対する結論である。
 ところで芝居創りも同じである。
現場の役者やスタッフの考え、知恵を無視する製作責任者はダメである。
まして観客の側に立った視点を無視した芝居は、まずコケルノダ!!
 「小さな家と五人の紳士」を製作・演出しとるオノレとしては、
結果、すべてがうまくいくとは思っとらんが、
その点を肝に銘じて、中味の濃い芝居創りに挑戦しておる・・・ツモリナノダ。
 
 


  蒸し風呂稽古
Date: 2004-07-08 (Thu)

 「小さな家と五人の紳士」。
昨夜の稽古中、突然冷房が故障し稽古場は蒸し風呂の暑さ!
座って見ているオノレさへ汗が滴りつづけて全身ビッショリであったから、
演じている役者の流した汗の量たるやハンパではない。
しかし最悪であったそんな環境の中、役者諸氏の集中力は萎えず、
これまでの稽古でも最高の出来といってよかった。
 よい稽古をするには冷房で身体を冷やすより、
シブキが飛ぶほど汗だくの中でしたほうがよいのかもしれん?
 稽古後に飲んだビールの美味えの何のッて!!


  電車の冷房
Date: 2004-07-07 (Wed)

 鼻ッ風邪をひいてしまった。多分冷房のせいである。
オノレの家では冷房をまず入れない。
しかし外出すれば行く先々で冷房という寒波の襲撃を受ける。
電車の冷房はとくに強い。外気との温度差がありすぎる。
なぜあれほど強くせにゃいかんのだ!
一日に何回も体験する環境の激変にオノレの肉体は悲鳴をあげとる。
 芝居の初日が間近に迫り、
「体調管理をしっかりせにゃならん!」
 とオノレに言い聞かせておったのに…反省。


  見学者のいる通し稽古
Date: 2004-07-06 (Tue)

 「小さな家と五人の紳士」昨夜の通し稽古には、4人の知人などが見学に来てくれた。
 稽古終了後、忌憚のない感想を伺い大いに参考になった。
いずれにせよ、皆さん大変面白かったということで一安心。
今日、明日の通し稽古も延べ十人以上の方が見学する予定。
 オノレは思う。先入観念のない一観客の目で通し稽古を観ていただけるなら、
仕上げの過程で大いに観ていただき貴重な意見を伺うべきであると…
それに付き合いなれた関係者以外の人が見学すると稽古場もシマルし、よい緊張感にあふれる。
かような緊張の中で、役者がさらに役創りを深めていく姿を
演出のオノレは目の当たりにし、
役者に見えないところで密かにニンマリしているのである。


  「CSI科学捜査官」ブラス警部
Date: 2004-07-05 (Mon)

 午前中「CSI科学捜査官」ブラス警部の抜き録り。
スタートレックのピカードとは大いに異なる人品。
どちらかといえばオノレの人品にちかい。
おそらく警部以上には偉くなれない下積みタイプで、
人生の苦渋をそのまま顔に刻んでいる愛すべき男だ。
(オノレの顔には刻まれとらんのであるが…)
 WOWOWでは、来年第4シリーズの放送もすでに決まっているらしい。
 「小さな家と五人の紳士」初日まであと8日…。
後で地団駄踏まぬよう、しっかり仕上げること!

     「CSI科学捜査官」HP
http://www.watch-csi.jp/


  雪崩対処法
Date: 2004-07-04 (Sun)

 オノレのヤマノカミは滅多に怒らん。
どちらかといえば喜怒哀楽を出し惜しみしとる。
ま、一度怒ると雪崩を起こしそうな顔になるのだが…
 ヤマノカミは芝居にはまったくの素人である。
オノレと暮らしはじめて、芝居や声優の世界に否応なく関わる破目となつた。
そのオノレの世界は、安定とか平穏とかいう形容がおよそ当てはまらぬ毎日で、
世間の常識は非常識というような一面もある。
 その世界を向こうにヤマノカミは、オノレの仕事スケジュールの一切を管理し、
カネも一切管理し、芝居の製作を手伝い、家事のほぼ全てをこなしとる。
さらにオノレのごとき非常識で、未だ大人になりきれんような男を相手に晩酌まで付き合わにゃならん。
であるからにして、タマに雪崩が起きてもコリャしょうがないわい。
 かような事態に遭遇したときオノレはいかに対処するか。
オノレはオノレのイタラナサを深く反省し、
(非はおおよそオノレにあるということになっとるから)
時をおかず、「ゴメンナサイ」と土下座してしまうのだ。
すると雪崩はナダレルことなく、ふたたびウツクシイヤマノカミの姿をとりもどす。
オノレはホッとして、そこでまた非常識なオノレにかえるのである。
 オノレの場合、夫婦関係に雪崩を起こさぬ術は、
代議士より素早くオノレが土下座することなのである。
(どなたです? 「ナサケナイ奴ダ」と、 オノレを罵るお方は…
あら、あの世の殿山親ビンでありました。)
 もう一つ、夫婦生活の平穏を保つ秘訣は、
ヤマノカミのやりたい趣味を、乏しい財布の許す範囲で大いにしていただくこと…なのである。
 で、ヤマノカミさま…今度の芝居のチケット、たくさん売ってくださいネ!


  スミからスミまで、ヨロシクお願いタ〜テマツリマス!
Date: 2004-07-02 (Fri)

 昨夜は初秋のような涼しい風が吹いとった。そして今日は快晴。
13日から6日間の公演中もこんな天気が続いてくれんかいのう…
 チケットの売れ行きがマダマダでチト心配。
とくに16・17・18の後半にくらべ、
初日からの前半があまり売れとらん。
ま、この先一週間でドドッと予約が入るべえ…そう信じつつ、不安に駆られるオノレである。
 皆様、スミからスミまで、ヨロシクお願いタ〜テマツリマス!