オノレ日記帳

2005年3月の記録



  映画 「父と暮らせば」
Date: 2005-03-31 (木)

 岩波ホールで、映画「父と暮らせば」を観賞。
   (原作)井上ひさし(脚本)黒木和雄・池田眞也
   (監督)黒木和雄(主演)宮沢りえ・原田芳雄
 ずいぶん前になるが、「こまつ座」でこの芝居の初演を観た。
このとき、梅沢昌代・すまけいの親子役でオノレは泣いた。
それからずいぶんたった去年、この戯曲を読んでまた泣いた。
そして今日、映画になった被爆者親子の世界にまた泣いた。
優れた作品てえのは、活字であれ、生の舞台であれ、
映像であれ、心打たれて感動するもんだナ。
 この六月、こまつ座が「父と暮らせば」の再演をするという。
オノレの友人の辻親八も、その一月後の七月末、
下北沢・OFFOFFシアターでこの芝居に挑戦するらしい。
で、オノレはそのすぐ後の8月、OFFOFFシアターで、
やはり被爆者の話である「象」を公演するので、
ゆっくりアチコチ人の舞台を観とるわけにもいかんのだが…。
「父と暮らせば」、この二つの公演だけは、
何とかヤリクリして必見せにゃと思っとる。
それはですねネ…、この芝居の父親役に、
いずれオノレも「挑戦したい」、役者としてのヤボウが、
チト芽生えつつあるからなのでアリマス。
 ま、たとえ実現したとしても、
まだまだ先の話になるとは思いますがね…ハイ。


  「ラビリンス・魔王の迷宮」
Date: 2005-03-30 (水)

 今日は終日、洋画の吹替えでスタジオの中。
「ラビリンス・魔王の迷宮」という、
1986年製作のアメリカSFX映画。
魔王に誘拐された弟を捜しに出る少女の、
波乱万丈の冒険を描くファンタジーな物語。
エグゼクティヴ・プロデューサーはジョージ・ルーカス。
監督は「ダーククリスタル」のジム・ヘンソン。
音楽はトレヴァー・ジョーンズ。
主演はデイヴィッド・ボウイ、ジェニファー・コネリー。
 オノレが吹替えるのは、「ホルグ」という役で、
人間ではないのに、まことに人間くさく、
臆病でずるいところもあるのだが、
ほんとうは善良で、チト寂しがりやのオモロイヤツだ。
けっこう出ずっぱりで喋りまくっとるナ。
リハーサルもたっぷり時間をとられて苦労したが、
本日の本番、息切れせんよう気をつけてガンバロウ。
 この日本語版はビデオ&DVDになって、
そのうち発売されると思います。


  皺 (シワ)
Date: 2005-03-29 (火)

 リクライニングチェアに寝そべり、
ウトウトしながら右手をかざし額に当てた。
オノレの薄目に池の波紋のような…、いやちがう。
数え切れない縮緬状の手の甲の皺がクローズアップされ、
オノレは思わずたじろいでギョッとした。
たるみをおびて象の皮膚に見えないこともない。
いつもヤヤ俯瞰で見ているだけの、
「不細工なヤツ」くらいには思っていたが、
日常それほど意識せず重宝していたオノレの手。
ああ、その手に、このように深く細かい、
数え切れないほど多くの皺が、
一体いつの間に刻まれたのであろう?
老いたといえばそれまでだが、
オノレはオノレの皺の紋様の不可思議に見とれながら、
しばし、過ぎ去った六十年の歳月に想いを馳せた。
 縮緬状の皺は、オノレの清濁すべてを呑込み、
これからの日々、その数をさらに増して刻みを深める。
オノレの皺は、決して胸を張って自慢できる皺ではない。
その皺の深みから、オノレの前から消えていった、
一人、二人…、何人ものかけがえのない、
懐かしいあの人やこの人の面影が浮かび出てくる。
 オノレはそっと眼を瞑り、熱くなりかけた瞼を閉じた。


  大統領から万年警部
Date: 2005-03-28 (月)

 午前中から午後にかけて、
SF海外ドラマ「スターゲイト」の吹替え。
すでに第7シーズンに入っている長いシリーズ。
オノレはその第7シーズン・#20から、
シーズン最後の#22まで3話分の出演。
で、オノレの役は新しく就任した米国大統領・ヘイズ。
次の第8シーズンにも出るのかどうかサッパリ分からんが、
いずれにせよ米国大統領役を、
過去にオノレが吹替えた記憶はないナ。
(一度くらいやっとるのかもしれませんがネ…)
SFドラマの吹替えとはいえ、
遂にオノレもブッシュと肩をナラベタ!?
そういえばヘイズ役の向こうの役者は、
ブッシュを意識し、似せて役創りをしているのかな?
大統領としてはチト軽い感じのキャラクターで、
ケタケタとしたあの笑い方なんぞソックリだぜ。
ま、最高権力を握った男の声を吹き返るてえのも、
それほど悪い気分ではなかった。
 夕方からは「CSI・科学捜査官」の収録。
オノレは米大統領からアッというまに、
ラスベガスのブラスという地味〜な万年警部へとテンラク!
しかし長年着馴れた冴えない背広姿の哀愁は、
やはりマイナーなオノレの声にフィットして、
合衆国大統領を吹替えているときより、
気分はさらに上々であった!!


  8月公演 「象」のチラシデザイン
Date: 2005-03-27 (日)

 友人のデザイナー・出嶋勉君にお願いしとった、
8月公演「象」のチラシデザインが出来上がった。
オノレの期待以上に印象的な、素晴らしいデザインである。
 出嶋君との付き合いもずいぶん長くなる。
で、オノレの独談、去年の「小さな家と五人の紳士」など、
これまで何度もチラシデザインをお願いしとるんだが、
オノレはいつもその出来ばえに満足しとる。
 ホンマ、友人カンケイに甘えて、
実に安いギャラでお願いし、まことに恐縮しつつ、
それでもアレコレ、うるさい注文を出しているのだが、
彼は嫌な顔一つせず…、いや、ちがうか。
いつも電話でのやりとりだから、
イヤな返事一つなく、たぶん顔をニコニコさせながら、
オノレのワガママな注文を聞いてくれるんだよナ。
(違ッとったらどないしょ!)
オノレは、若い彼のデザイナーとしての才能、
若くても懐深くヤサシイ態度に大いに助けられ、
ただただ心から感謝しておる次第。
 出嶋君の手による8月公演のチラシは、
近々このHPで公開することになる。皆様、お楽しみに!
 そして8月は、チラシに負けない舞台になるよう、
オノレも精一杯努力いたしますので、
ぜひ応援してやってくれんさい!!

出嶋勉HP  http://decoct.site.ne.jp/


  新幹線社内で
Date: 2005-03-26 (土)

 大阪でCMナレーションのアリガタイ仕事があり、
朝8時過ぎの新幹線に乗る。
で、2時過ぎには仕事を終え、
夕方6時前には東京に舞い戻ッとった。
せっかく関西まで行ったのであるから、
いろいろ会いたい人もおったし、
たまには懐かしい道頓堀の飲み屋なんぞで一杯やって、
一泊してから帰りたいところではあった。
ところがこのところオノレはナンヤカヤと忙しく、
まことにウレシイ悲鳴を上げている毎日なのである。
だから道頓堀の川に酔っ払って飛び込むのは、
マタノキカイにするべえとあきらめた。
 帰りの新幹線。
三人並びのシート・窓側に腰掛けると、
名古屋から二人のビジネスマンがオノレの横に座った。
40前後、バリバリの企業戦士といった感じのお二人は、
座席に着くやいなや缶ビールを飲み始め、
社内の現状・人物評価らしきことを、
隣のヤツのことを考えない、
まことに堂々、シッカリした声で会話しはじめた。
うつらうつら眠っていたオノレはすっかり覚醒し、
否応なく二人の会話を拝聴するハメになッちまった。
「改革」「自己保身」「ノー・アイデンティティー」
「ノー・アイディア」「アイツは与えられた仕事をするだけ」
 ポンポンと過激な言葉が二人の会話を支配し、
どない企業の方かナゾであったが、たぶんこのお二人は、
能動的にそのアイデンティティーを発揮している、
社内屈指の改革派なのであろう…と、オノレは感じた。
 そこでフト思ったナ。
組織というものには、「ノー・アイデンティティー」で、
自己存在の影が薄い地味で目立たない人、
「与えられた仕事をするだけ」の人てえのはイランのかい?とネ。
バリバリ自己主張し、社内改革やら、
斬新なアィディアを提案できるスゴイヤツばかりで、
ほんとうに組織てえのは成り立つものであろうか?
そんなヤツばかりいる会社てえのも、
オノレにはチト気味が悪いし、恐ッソロシイ気がするぜ。
まあ、まったく何もせんでブラブラしとるのは論外だろうが、
出世欲もなく、過激な発言もせず、
改革プランも新アイディアも提案こそしないが、
少なくとも「与えられた仕事」はそつなくキッチリこなす。
そういう地味な存在で、ひたすら会社に貢献している人だって、
組織というものには必要なのではあるまいか?
多くの組織でもっとも多いタイプは、むしろかような人たちで、
ひょっとするとこの人たちこそ、
自我を抑え、重い組織の土台となって、
力を誇示する連中を支えているのではあるまいか…。
組織はよく分からんオノレであるが、
意気軒昂、チトうるさい二人の会話をヌスミ聞きしながら、
フト、そう思ったのである。
 ライブドア社長のごとき、威勢のよい青年や、
最近マスコミに登場しはじめ、敵なしの感じで自信満々、
ギラギラ生臭いエネルギーを発散させとる、
ソフトバンクナントカのナントカとかいう御仁。
こういう連中ばかりで組織されとる猛烈会社があるとすれば、
想像するだにオノレは息苦しくなってくる。
さよう、オノレのごときジミ〜に生きとる人間にとって、
かような組織が生みだす果実を想像すると、
その味は激辛すぎて、たぶんこの口に合わん。
もし、万一、そういう組織にオノレが入れば、
オノレという異物によって組織はたちまち下痢を起こし、
オノレは速やかに排水されるであろう。
 さて、お二人は新横浜で立ち上がり、
威勢のよい言葉とは裏腹に、酔ったのか疲れたのか、
おぼつかん足どりでフラフラ新幹線を下車して消えたナ。


  春眠暁を覚えず
Date: 2005-03-22 (火)

 春分を過ぎて、
これから夜より昼の長さが、
すこしづつ増していくってえわけだ。
さよう、日の出が早くなり、
日没が遅くなるのにつれて、
オノレの行動というか、暮らし方にも、
やはり多少の変化が出てくるかナ。
朝の目覚めが少し早まり、
酒を飲み始める時間もやや遅くなる。
昼間が長くなるにつれて、
芝居を勉強するオノレの時間も長くなる…ウソコケ。
 数年前から変わらない現象は、
酒に酔うとすぐ眠くなるてえことだな。
しかも飲み始めるとタチマチ酔うということだ。
つまり自宅での晩酌は、いまや睡眠薬みたいなもんで、
泡盛のお湯割り二杯も飲めば、
タチマチ呆然として眠くなっちまう。
うっかり夕方五時頃なんぞに晩酌をはじめると、
七時前にはフトンにもぐりこむてえことにもなる。
で、夜中の一時、二時に目覚めてまた飲みなおしたり、
致し方なく演技の勉強をしたりするハメに…、タマになる。
実は昨日も六時頃から飲み始め、八時前にフトンに入った。
そして夜中に…、どういうわけか目が覚めず、
今朝七時まで、なんと11時間以上も眠って「シマッタ!」。
 「春眠暁を覚えず」で、鳥のサエズリにも目覚めず、
オノレに早く朝メシを食わせ、
何故かハヤク外出したいヤマノカミの嬌声、
否、狂声にタタキオコサレタ。


  演劇集団・円 アトリエ公演 「アフリカの太陽」
Date: 2005-03-21 (月)

 演劇集団・円 アトリエ公演、
「アフリカの太陽」(作・演出=宋英徳)を観劇。
《次世代の作家シリーズ》と謳った円の企画第一弾。
オノレは、まさに次代を担う、
力のある劇作家の誕生を感じたナ。
 アルコールやドラッグ依存症から抜け出そうとする、
いろいろ過去に事情のあるヤツラの、
不幸でオモシロ哀しい人間ドラマ。
去年の秋、道学先生「酒坊ちゃん」も同じテーマの芝居で、
オノレはずいぶん感動して観た記憶がある。
今回の宋作品も道学先生の舞台に負けず劣らず、
創造的に質の高い素晴らしい舞台であった。
どちらも笑って泣かされるイイ芝居なんだが、
オノレにとって「酒坊ちゃん」は、
より笑いを誘われる舞台であり、
「アフリカの太陽」は、
より涙を誘われる舞台であったという気がするな。
とにかくもう泣けて泣けて…。
こんなに芝居を観て泣いたのは、
オノレにとって久しぶりなのではあるまいか。
ホンマ、とまらぬ涙の始末に困り、手拭で眼を拭うとき、
チト恥ずかしくって周りを気にしたが、
周りの方々もオノレに負けず劣らず、
シッカリ泣いているではないか。オノレはすっかり安心し、
さらにオトコナキさせてもらった。
 とにかく役者の皆さん、それぞれの個性を生かして大好演。
のびのびタノシク役創りしているように見えて、
心からウラヤマシカッタです。
 芝居って、ほんとうにイイヨナア! 


  福島から恵比寿のスタジオへ
Date: 2005-03-20 (日)

 「東北演劇鑑賞団体連絡会議」の定期総会に参加させて頂き、
ビジネスホテルに一泊。
早朝7時19分発の東北新幹線に乗って帰京。
そのまま恵比寿のスタジオ入り。
AM10:00〜PM9:00まで、テレビ東京・木曜洋画劇場、
ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピット主演、
「スパイ・ゲーム」という米映画の吹替え収録。
ほぼ11時間スタジオにカンヅメでさすがに疲れた。
 演劇鑑賞会の総会というものを初体験しイロイロ勉強になった。
オノレのような役者が、ここまで何とか、
その末席で舞台活動を続けてこられたのも、
おそらくこのような良心的鑑賞組織の方々の、
長年にわたるひたむきで純粋な活動があったからこそ…。
心からそう実感できる体験であった。
 東北演劇鑑賞団体連絡会議の皆様、ありがとうございました。


  出張
Date: 2005-03-19 (土)

 今日は福島へ「出張」である。
東北演劇鑑賞団体連絡会議の定期総会があって、
チト興味津々、そこにお邪魔し、
オノレの独談を大いに宣伝させて頂こうというわけ。
劇団ならば制作スタッフがこういう営業をするわけだが、
残念ながらオノレの独歩事務所には、
売り込みの下手なヤマノカミはいても、
そういうスタッフはおらん。
で、オノレ自ら行く他ない…。
ナニナニ、自腹の出張もマタ愉シカラズヤ?
 本日の機会も、この一月、
会津若松公演でお世話になった北澤さんが、
オノレに声をかけてくれ、段取ってくださった。
 とにかくかような場に出た経験がないので、
いったいどういうタイドで会場に居ればいいのか、
まるで見当もつかんのだが、誠実に、真面目に、
「タイチャン」と「アカシアの町」を、
ウリコンデマイリマス。


  ダブルヘッダー
Date: 2005-03-18 (金)

 昼、新国立劇場「花咲く港」(作・菊田一夫)。
70年以上前に書かれた喜劇の名作。
およそ3時間、その滑稽と人情にたっぷり笑って泣きました。
オノレの姉上である寺田路恵(文学座)が出演しているので、
イタシカタナク観に行ったのであるが、
イタシカタナイ時を過ごさず大変ヨカッタ!
 夜、西武線下落合駅から徒歩10分ほど、
目白通り沿いにある小劇場・風姿花伝で、
GCOM「金の卵1980」を観劇。
 63歳にもなる方が初めて書いた劇作品。
その意気やよし、敬服に値する挑戦であるが、
やはり劇的にはツラカッタ。
かつての商業演劇の大御所、劇作家としても演出家としても、
プロ中のプロであった菊田一夫と比較してはイカンのかもしれん。
が、最近書かれた「金の卵1980」が、
70年以上も前に書かれた「花咲く港」よりはるかにフルクサク、
今日的なモノをおよそ感じないのは何故であろうか?
それはたぶん、劇作術の巧拙はさておき、
人間を描く形象が根本的に浅いせいではないか…。
と、オノレは思った。63歳の挑戦に敬意を表しつつ、
これがオノレの率直な感想である。オユルシアレ。
 そうそう、「金の卵1980」のパンフレットで、
作者御自身がゴジシンの芝居を、
「ハッキリ言いまして『面白い』です」と、
自画自賛していらっしゃる。
ま、イロイロ苦労されて書き上げたであろう、
処女作にかける63歳の、
初心(ウブ)な思いをロコツに感じて、
まことに微笑ましいと思いたいのではあるが、
「面白い」か否かは、やはりお客に判断させてくださいマセ。
 まだ風邪の後遺症がチト残っているオノレであったが、
ダブルヘッダーで芝居を観劇し、
笑って泣いて、最後にチット辛かったぜ。


  「愛国」より「平和」
Date: 2005-03-17 (木)

 竹島(独島)の領有権問題で、
このところ文化的にはいいムードになりつつあった日韓関係が、
またキナクサイ、妙な雰囲気になってきたな。
 オノレは竹島問題やその歴史について深い知識はもっとらん。
しかしインターネット検索で俄仕込みにイロイロのぞき、
多少この問題の難しさは理解した。
 検索して面白かったというか、
「こりゃ深刻だわい」と、改めて感じたのは、
「竹島」で検索するのと「独島」で検索するのとで、
この問題に対する印象が一変するってえことだよな。
あたりまえのことかもしれんが、「竹島」で検索すれば、
「日本固有の領土」というモノが多いし、
「独島」なら韓国の領有権を肯定するモノが多い。
で、オノレのボンクラ頭の印象では、
我が日本「固有の領土」と国際的に認められるには、
どうも不利な形勢は否めんような感じがしたナ。
韓国政府と比べ日本政府がこの問題に及び腰なのも、
たぶんそれをヨク承知しているせいではありませんかね?
もっとも生半可な知識でうっかり結論めいたことを書き込むと、
「非国民!」とか、「国賊!」とか言われて、
オソロシイ方々にトッチメられそうでコワイから、
これはあくまでインターネットで検索し、
オノレのボンクラ頭が感じた「印象」にすぎんのよと、
ハッキリお断りしておきますデス…、ハイ。
 正直なところ、「竹島」だろうが「尖閣」だろうが、
オノレにとってはどこの国のモノでもよい。
たぶんその領有権主張の根本は、漁業だ、石油だ、資源だと、
国の経済的利権に絡む問題なのであろう。
その利権のため、互いにナショナリズムを煽りに煽って、
また我々は近い将来、再び悲惨に「戦う」のであろうか?
「ドウカ ソレダケハ ヤメテオクレ!」
 チッコイ島の領有権を失い、
今より経済的に貧しい国家になっても、
戦いのない平和な日々のほうが、
カヨワイオノレにとっては何よりである。
「このノーテンキのオプティミスト」と、
何より「愛国」大好きな方々に怒られそうだが、
オノレはどんなに怒られても、
「愛国」より「平和」大好きなヒコクミンである。


  またヤラレテしまった!
Date: 2005-03-16 (水)

 また風邪にやられてしまった! 今年に入ってハヤ3度目。
いずれもそれほどひどくはなっとらんが、
今度のヤツもチョクチョク咳き込むし、
鼻声気味で脳内がボーッとしとる。
それでもオノレは今日の夕方、
ある外国アニメのオーディションを受けにゃならん。
こげな体調で受けても、タブン不合格になるであろう。
エイままよ。とにかくオーディション現場では、
可能な限り風邪の影響を抑えるべく工夫・努力して、
鼻声にならんようセリフを云うべえ。
でも、もし万一、
風邪ッ引きの「ビセイ」がナカナカよくて、
ヒョッコリ受かってしまったらどないしょ?
この作品の本番を収録するたんび、
オノレは鼻ッ風邪をひかにゃならんハメになるわい!
 役者は体調管理をチャンとしないと、
とんでもないことになる…反省。


  応援団長氏の正体
Date: 2005-03-14 (月)

 昨日「昴」のマチネーを観て、夜は四谷三丁目の焼き鳥や。
それから新宿ゴールデン街で久しぶりのハシゴ酒。
一緒に昴の芝居を観たわけではないが、
広島の応援団長氏がまた上京したと、
仲間の役者・辻親八チャンから電話があったので、
これは会って飲まにゃならんとついガンバッタ!
 ところで応援団長御本人の了解を得たので、
これから彼についてふれるときは、
川村チャンと実名を出すことにする。
 川村チャンは広島で「イイ商売」をしとるんだが、
彼の友人が辻親八チャン。
この二人、中央大学応援団部出身の同期の桜で、
川村チャンが団長、親八チャンが団旗を持ッとったという、
いわばセン友らしい。
そうか、辻親八の決してツブレナイ、
あの野太い羨ましいガラ声は、応援団仕込みのものであった!
 二人は大学を出て、ずっと交流が途絶えていたようだが、
去年か一昨年か、つまりわりと最近バッタリ再会し、
幸か不幸か、再びそのアツキ友情を深めることになったようだ。
そしてオノレは去年の秋、
親八チャンから川村チャンを紹介され、
オノレと彼とのセン友ではない、
オトナの付き合いと友情がハジマッタ!
 さて親八チャンの影響を受けたのか、
川村チャンは俄かに芝居を観始め、
次第に観劇の虫となりつつある。
最近では毎月のように上京し、親八チャンの芝居はもちろん、
オノレも観とらんような芝居まで観たりしてるんだよナ。
その観賞眼もどんどん鋭くなり…オソロシイ。
 去年秋のオノレ日記でも書いたが、
川村チャンという男は、実に男っぽい…、アタリメエカ。
礼節も遊び方もほどよく心得つつ、共に飲んで愉しい、
さらに知識欲もなかなか旺盛な御仁。
まさに「何でも見てやろう」を地で体言しとる感がある。
今の調子で芝居にハマルと、
そのうち演劇プロデューサーとしてデビューするやもしれん。
ソノトキハヨロシク!
 ところで、この川村チャンのご長男が、
この八月、オノレのプロデュース公演「象」で、
衣裳を担当する。
この若者が親に似て、己が興味をもった世界に、
大変意欲的な姿勢をみせる好青年だ。
オノレはその若きパワーをかって、
台詞のない「死体」役をしてもらうことにした。
そう、役者として、
ムリヤリ初舞台を踏んでもらうことにしちまッた。
ガハハハハッ!
この八月、「象」を観てやろうと思っている方、
オノレ共々、どうぞ彼を応援してやってツカアサイ!


  昴公演 「長男 」
Date: 2005-03-13 (日)

 劇団昴の舞台、「長男」(作=A・ヴァムビーロフ)を観る。
1966年頃、つまりソ連邦時代の作品のようだが、
実に巧く書かれとって面白かったな。
 イルクーツクという寒さ厳しい土地の町外れ、
夜遊びが過ぎた若者二人が最終列車に乗り遅れ、
一夜の宿を求めつつ、一軒の家の扉を叩く。
その家庭は、離婚した父親・娘・息子の三人家族。
 16歳の息子は思春期真っ盛りで、
となりの30にもなる裁判所・書記官の独身女に熱烈な片思い。
しかしまったく相手にされずガキ扱いされるだけ。
息子は絶望し、家出をする覚悟だ。
 姉も軍人飛行士との結婚を目の前にしており、
彼の任地へ赴くことになっている。
 クラリネット奏者の父は、オーケストラを首になり、
今は葬儀の参列でクラリネットを吹いているのだが、
その現実を子供に隠しており、
自分一人取り残されそうな先々の人生に悩んでいる。
 若者二人はそんな家庭にとびこんでしまい、
一人が「僕は父親の息子」だと出まかせの嘘をつく。
それをまるで信じてしまう父親と子供…、てな仕掛けで、
なかなかオモシロオカシク舞台は進行していく。
 隣の女に絶望的に惚れてしまう思春期の息子と、
その女の人物像が実に愉快で、
オノレは腹を抱えて笑ッちまったナ。
また年頃の子供二人を扱いかねている父親の悲哀と孤独に、
オノレはドラマ後半、流れる涙をおさえきれんかったね。
 作品・演出・俳優・モロモロしっかりした舞台で、
オノレは大いに満足し、
清々しい気分で三百人劇場とオサラバした。
 この芝居は、若手・新人の役者を中心の企画で、
その趣旨が認められ、国からか都からか知らんが、
製作のための助成金を貰えたという。
おかげで2千円という安いチケット。
ありがたや、アリガタヤ!


  「メン・イン・ブラック2」
Date: 2005-03-12 (土)

 今日は「メン・イン・ブラック2」という作品の吹替えで、
終日スタジオの中にカンヅメ。
スピルバーグ製作、トミー・リー・ジョーンズ主演のヒット作。
オノレの役はジャーラという狂気じみた天才科学者?
出場は少ないがナカナカ強烈な役だから、
面白愉しくクルってやるわい。
 テレビ朝日の日曜洋画劇場で3月27日放送予定。
とにかく肩の凝らない、メチャオモロイSFX映画です。


  「遊戯王・デュエルモンスターズ」
Date: 2005-03-11 (金)

 今日から、
「遊戯王・デュエルモンスターズ」というアニメに、
セミレギュラーで出演することになった。
オノレは影丸という謎の老人役で第27話から登場する。
その27話では声だけの出演。顔は出ないし台詞も二つだけ。
とにかく悪なのか善なのか、今のところはすべて謎。
いつ謎の役ではなくなるのか、このオノレにもまだナゾである。
であるからして、音響監督やスタッフのナゾの意を汲んで、
何となく謎めいた、チトおどろおどろしい声でやった。
それが本番一発でOKとなり、なぜOKだったのか、
それもやはりオノレには、今のところナゾなんだよナ。
でも、とにかくOKなんだから…、シアワセ!
 そうそう、この作品の音響監督は三ツ矢雄二サン。
アニメファンなら誰でも知ってる声優さんだが、
アニメディレクターとしても頑張っており、
舞台の演出もしたりする多才なオトコなのだ。
そのダメダシの的確でムダのなさにはビックラコク。
雄二サン、この先、よろしくオネガイイタシマスデス。
 このアニメは毎週水曜日、PM6:30〜7:00。
テレビ東京などで放送しとる。

      遊戯王HP
http://www.tv-tokyo.co.jp/yuugiou/


  五行歌
Date: 2005-03-10 (木)

 オノレの独談「アカシアの町」の原作者・草壁焔太さんは、
《五行歌》という短詩の形式を生み出した方だ。
とにかく五行で書くこと以外は、
字数・音数に制限がなく自由に書けるので、
俳句や短歌にくらべ制約が少なく、
全国的にそれなりの愛好者がいるようだ。
 最近の朝日新聞に、その五行歌をたしなむハンセン病の患者、
伊藤赤人さんの五行歌集のことが紹介されとった。
四つほどの歌が紹介されていたが、なかなか心打たれる。

  簡単に死を選ぶ
  健常者に
  耐えて生きてきた
  障害者の私は
  掛ける言葉をもたない

 オノレはこの五行に、長き社会的差別の中で、
なお生きる価値を探し求め、
日々のいとなみを過ごしてきた人の、
重く厳しい、だからこそ尊い、『命』に対する眼差しを感じた。
 この八月、オノレのプロデュース公演「象」は、
広島の被爆者の話である。
かいつまんでいえばこの芝居も、
「生」と「死」のドラマであり、
望むべくもなく被爆者となった人々の、その生き様、
『命』と世間に対してとる姿勢の違いを描いとる。
そして伊藤さんが、
自ら簡単に命を放棄する健常者にかける言葉をもたぬように、
「象」の作者も、登場する人たちの生き方の相違に、
最後まで明確な答えを出してはいない。
その答えは、読み手や観客ひとり一人の、
内なる心から導きだすより他ないのである…。
 
  隔離の柵から
  解き放され
  戸惑う
  手足の無い
  自由         伊藤赤人(76)


  これからの花見酒
Date: 2005-03-09 (水)

 昨日から突然初夏のような陽気。
桜が咲いてしまいそうだなと思いつつ、ふと考えた。
満開の桜の下で、花見の酒をもう長いこと飲んどらん。
オノレの住まいのすぐ近くには、「小金井公園」という、
花見に絶好の場所がある。
しかしその短い期間、公園は人で溢れかえり、
落ち着いて酒を嗜み、爛漫の花の風情に酔って、
とても静かに時は過ごせない。
 若い頃は、大勢の仲間と歌えや踊れで馬鹿ッ騒ぎも楽しかったが、
今はもうそんなエネルギーもなく、ただ疲れるだけである…。
ナサケナイ。
 それでも今日の昼前、ドトールコーヒーへ行くと、
かつての花見仲間であった、
オノレよりチト年上の友人と会ったから、
久しぶりに「ヤルカイ?」と誘いをかけた。
彼はニベもなく「ヤラナイ」と答えた。で、
「毎朝六時頃、公園の散歩をしている。
俺はそのときゆっくり見るのでいい」てえんだよな。
 少し寂しい気もしたが、「ヤロウ」と言われなくって、
オノレも何となくホットしたのは否めない。
 これからは、一人でひっそり花見の酒を飲む場所と、
そのヤリカタを発明しよう。


  オノレのスタイル 「作務衣」
Date: 2005-03-05 (土)

 かれこれ17年以上、
オノレの基本的スタイルは作務衣である。
しかし既製品の作務衣ではないので珍しく思われ、
どこで誂えたのかよく問われる。で、
「うちのヤマノカミが織り染めを趣味にしており、
その妹も服や着物のリホームやら、
ソーイングやらをしとるから、
つまりオノレは、この二人の創る作品のモルモット、
いや、モデルのような役割で、
365日、イタシカタナク作務衣姿なのでアリンスヨ」と、
オノレは何となく不本意な表情で、そう答える。
もちろん本音は、それほどイタシカタナク思っとらん。
オノレも長年の作務衣スタイルが、
それなりオノレに身について似合っとると、
一人ウヌ惚れて満更でもない。
で、問うた人は感心したように、
チト羨ましそうな顔でおおよそ納得するのだが、
中には、「タダでいいねえ」と、
ゲヒンに、とんでもない誤解をするヤツもおる。
ま、そういうヤツは、織り染めやソーイングてえものが、
いかに実費や手間のかかるモノか、
その実態を知らないから、ムリもないのでありますがネ。
 名の売れた染め織り芸術家の作品ならさておき、
趣味でやってる素人の作品なんぞ、
例え展示会をやっても、
この御時世ではまず売れまセンノヨ。
ヤマノカミと一緒に暮らしてから今日まで、
福沢諭吉センセイが、糸やら布やら染色の材料に変身し、
何人、否、ナンマイ行方不明になったであろうか…。
計算するのもオソロシイデス。
オノレは致し方ないと思いつつ、
ときどきタメ息をついとるナ…。
さよう、趣味で染め織りをする家計簿の、
これが偽りのないジッタイなのであります。
 もともとオノレは、着るものにまるで頓着が無い。
基本的にオノレの貧相な肉体を被ってくれ、
寒さを凌いでくれればそれでいいのだ。
普段着だ、余所行きだと、
着るものをサベツすることもない。
極端にいえば下着も上着も、
不潔でさえなければ一生着替えなくてもよい。
そうなれば、まことにラクチンではないか…、
とさえ思っとる。
たぶんオノレは、ヤマノカミと同居しなければ、
寂れた地方競馬で見かけるような、
ムサい男のスタイルで毎日過ごしていることだろう。
「オトウサン、それはウチの中で着る作務衣!」
「オトウサン、外出用の作務衣をウチの中で着ないでよ!」
 オオキニ、オオキニ、
カッテニサラセ、ヤマノカミ!


  西武王国(グループ)総帥の逮捕
Date: 2005-03-04 (金)

 昨日、西武王国(グループ)の総帥、
堤義明サンが逮捕されたナ。
オノレは企業の株や商売の利益に興味もないし知識もないが、
あの大企業グループが40年以上にも渡り、
どない裏技を使って国税も地方税も収めずに済まされてきたのか?
その間、日頃「弱いものいじめ」が大好きな国税庁や検察は、
いったい何をやっていたのか?
 かつてオノレが経済的に困窮し、
三畳一間のオンボロアパートに居た頃、
某市の徴収員二人が差し押さえの貼紙を用意して、
滞納している住民税を取立てにきたことがある。
もちろん破産寸前のオノレに払える金もなく、
徴収員も余りのオンボロ暮らしにスグ取立てをあきらめた。
それでも唯一の「財産」と査定したらしい、
把手の壊れた洋服ダンスに、
差し押さえの紙をシッカリ貼って帰っていったが、
いつまでたっても洋服ダンスを押収しには来なかったナ。
 事ほど左様にお上ッてえやつは、
無駄な経費を使ってでも、遠慮しないで弱者をイジメル。
長者番付に一生載ることのない我々普通の国民は、
この事実を肝に銘じて生きないと、
足のケバ毳まで剃って持っていかれるハメになるぜ。
 それにしても、堤義明サンのオヤジ康次郎サンの、
その墓の馬鹿馬鹿しいほど金のかかったドデカサに、
オノレは思わず苦笑いしつつ、人の権力欲、名誉欲、
強欲の行きつく果ての凄まじさを感じてオソロシクなった。
オノレもモシ金と力を手に入れたら、
やはりかような墓地を造りたくなるのであろうか?
 ボソボソ自問自答、一人悩んでいるオノレを見て、
ヤマノカミが何か言いたげな顔になった。
「ワカットル、ヤマノカミ。ナニモ言ウデナイ!」と、
オノレはその機先を制して叫んだナ。
  《九仞の功を一簣に虧く》
(きゅうじんのこうをいっきにかく)
という書経の言葉がある。
長年の努力が最後のささいな手違いで、すべて水泡に帰す、
てえような意味らしいが、
今度の事件はまさにそんな顛末だよな。
しかし西武王国の王たる堤サンが、
どれだけ「普通の国民」のシアワセのために、
長年の努力をして税金を免れ稼ぎまくったのか…、
オノレには?である。


  定年退職
Date: 2005-03-03 (木)

 3月は、多くの企業にとって決算の時期であり、
一年の締め括りであり、人事異動の季節だよナ。
オノレと同年代である知り合いの会社員にも、
この三月一杯で定年退職をする方がチラホラいる。
 退職後、何もせんで悠々自適、
ノンビリ生きていける羨ましい御仁もおるし、
新しい働き場所を必死に探す顔面真ッ青の御仁もおる。
 役者だけの世界に生きてきたオノレにとって、
ありがたいことに定年はないし、
ありがたくないことに、一生退職金も頂けない。
であるからして、長年、コツコツ決まったお給料で生活し、
それなりの退職金を貰って定年退職する、
勤め人の悦びや悲哀を経験することはない。
オノレにとってそれは想像するだけの世界である。
 つい最近、今月で定年を迎える大手電機メーカーの知人と、
仕事帰りの電車で偶然バッタリ、
久しぶりの懐かしさもあって一杯飲んだ。
どうにか管理職まで出世?した彼は、
顔面真ッ青ではなく、まあまあ悠々自適のクチらしいが、
今一番気になるのは、定年後の人間関係なんだそうである。
「長年付き合ってきた会社の仲間や仕事関係の友人が、
定年退職したとたん、
潮が引くように自分との関係を断ち切るような気がする。
だから今後は、過去とはまるで別世界の、
新しい仲間や友人をつくって、積極的に付き合いたい。
これを機会にキミのようなオカシイ役者やカワッタ連中とも、
大いに飲んで語ろうではないか…」てえんだよナ。
 彼の会社の企業PRビデオナレーションを、
かつてオノレは継続的にさせていただいた時期がある。
ま、仕事が終わってから「銀座」で飲ませて頂いたり、
もう二十年くらい付き合いがないとはいえ、
昔、チョイとお世話になっとる。 
で彼の、オノレのごとき「オカシイ役者」とも、
大いに付き合ってくれるという思いがけない言葉に、
オノレはアリガタイというか、コマッタというか、
チト返答するに戸惑ったネ。
だって「過去の仲間が潮が引くように…」、
なんちゅう言葉を聞くとさ、
コイツ、その世界でよほど嫌われとったんじゃねえのかい?
と、ヤヤ恐れを感じて疑心暗鬼にもなりますぜ。
昔、仕事をさせてもらったとき、
チト傲慢ながらバリバリ仕事をする男、
てえ印象がオノレにはあったしネ。
しかし、まあオノレには、
今後彼とのお付き合いを拒否する理由も格別ナイ。
オノレは彼と改めて名刺交換をさせていただき、
脳天の隅ッこでそっとケイサンしちまった。
「八月のオノレの芝居のチケットを、
オヌシは果たして何枚カッテくれるだろう。
仲間が潮が引くように去る、てえんだもんなァ…」。


  ホームレス
Date: 2005-03-02 (水)

 近頃、ホームレスの人たちに、
何だか女性が増えたと感じるのはオノレだけであろうか?
で、男に比べると、
さすがに女性のホームレスのほうが身綺麗なんだが、
漂う寂寥感というか孤独は、男にくらべてかなり強い。
 女性がどない事情でホームレスという境遇になるのか、
オノレはまるで調べとらんが、
リストラされてとか、事業に失敗して…というより、
やはり家庭崩壊的な事情が多いんだろうなあ?
 世の中には、「生活保護」を不正に受けとる、
ケシカランヤツも多いというではないか。
国は何故そういうケシカラン受給者をしっかり取り締まり、
趣味でやってるヤツはさておき、
ほんとうに辛い日々を送るホームレスの人たちへ、
キチンと生活保護を受給できるよう、
積極的に知恵を与え、手を差し伸べてはやらんのだ?
生活保護の仕組に関してオノレの知識は貧弱だが、
日本の社会が、弱者にやさしい福祉社会でないことだけは、
オノレなりにチャント理解できるぜ。
 さて、オノレが万一ホームレスになッちまったとしたら、
実際どれくらいの日々を、
しぶとく生き延びることができるであろうか?
たぶん半月くらいしかもたねえような気がするな。
なにせ食い物の好き嫌いがひどいし、
妙に衛生的なところがあるから、
残飯を食ったり、シケモク拾って吸ったり、
そんな生活はとてもデキナイ。
ウイルスや黴菌にも弱い体質のような気がするから、
たちまちインフルエンザや食中毒にやられて野垂れ死ぬネ。
あの暮らしで強かに生き抜けるほどのバイタリティーは、
虚弱・軟弱なオノレにはない。
さよう、万一かようなハメにならざるを得ないとすれば、
オノレは潔くレンタンを用意するぜ!
 「オトウサンは衛生的でもないし、黴菌にも弱くない。
すぐ環境に適応して図々しく生きるから大丈夫。
もちろんアタシには無理だわヨ!」
 オイ、ヤマノカミ。
その認識はサカサマじゃねえのかい?