オノレ日記帳

2006年1月の記録



  パブリックシアター公演 「クラウディアからの手紙」
Date: 2006-01-25 (水)

 太平洋戦争の終戦を朝鮮で迎えた蜂谷弥三郎は、
妻子と日本に引き上げようとするが、
スパイとしてソ連軍に捕えられ、
極寒のシベリアの強制収容所に送られる。
が、刑期を終えて出所しても、
スパイ容疑のため帰国は許されずソ連に残され、
ロシア国籍を取得、クラウディアというロシア女性と出会う。
互いの境遇を何日も語りあい二人は結婚。
やがてソ連は崩壊しロシアになり、日本の妻と連絡がとれる。
妻は夫の生存を信じて待ち続け、再婚もせず、
女手ひとつで娘を育て上げていた。
クラウディアは弥三郎を日本に帰すことを心に決める…。

 三軒茶屋・パブリックシアターで観た、
「クラウディアからの手紙」は、
このような実話をもとにした舞台である。
いつであったかこの実話は、
NHKのドキュメンタリーでも放送され、
オノレはこれを見て目頭を熱くしたおぼえがある。
で、そのときに負けぬほど今日の舞台の終盤、
オノレは泣けて泣けて嗚咽の大声を出しそうであった。
 とにかく鐘下辰男の脚本・演出がすばらしい。
主演の佐々木蔵之介をはじめ、出演者の演技はおしなべてよい。
中でもクラウディア役・斉藤由貴の好演は特筆モノであった。
また別の舞台でも観たい女優さんである。
 この劇場のチケットは、いつもチト高いような気もするんだが、
今日の舞台を観せられてはイタシカタナイ。


  ホリエモン逮捕!
Date: 2006-01-24 (火)

 ホリエモン逮捕!
彼や彼を賛美した連中、
とくに小泉・竹中・武部なんてえ方々をみて、
オノレの脳天にいろいろな格言が浮かぶ。
「傲(おごり)は長ずべからず」
「羊頭狗肉」
「才余りありて識足らず」etc…。
 オノレもかような人間にならんよう自戒せにゃならん。
「足るを知れば辱しめられず」
「足らぬは余るよりもよし」ダヨナ?!
 今日も国会で衆議院代表質問がされとる。
ところが山本一太てえ小泉チルドレンの先輩議員は、
その国会に行かんで昼の日テレ・ワイドショーに出演し、
小泉・竹中・武部をのうのう庇っとる。
出演させるテレビ局も局だが、
タレントでもあるまいし、コイツは何を考えとるんじゃ。
肝心の職場放棄して、
テメエの顔を売るアルバイトばかりするんじゃない。
(ノーギャラ出演てえわけでもあるまい?)
こない口八丁だけのヤカラにも、
我々血税から議員報酬を支払わにゃならんのかい!!


  オトメ漬
Date: 2006-01-21 (土)

 母親と二匹の兄弟と別れ、
ヨークシャーテリヤのメス・オトメが、
本日我が家のムスメとして迎えられた。
2005年11月16日生まれ。生後二ヶ月と五日。
二ヶ月過ごした身内と離れ、新しい環境にとまどい、
落ち着かずキャンキャン暴れるものかと思ったが、
あきらめがよい性格なのかあまり泣かない。
やってきてすぐオトメらしくない大糞を放ち、
ひとしきりあちこち我が家を探索すると、
用意しておいたサークルベッドの中に自ら入り、
今はあどけなく眠っとる。
 これからしばらくオノレもヤマノカミも、
オトメ漬の毎日になりそうな気配である。


  新しい家族
Date: 2006-01-20 (金)

 明日からオノレの家族が一人増える。
親しい飲み屋のオカミさんから、
生後二ヶ月の娘をもらいうけて育てることとあいなった。
名前をオトメという。
コロコロ発育し、活発に体を動かし、
大きくあどけない瞳の赤ちゃんである。
すでに生母のシッケよく、自分でトイレの用をする。
まだ産毛がそのままのびているだけであるが、
身体中生えそろった毛並みはツヤツヤとやわらかい。
だからもちろん「人の子」ではない。
ヨークシャーテリヤの幼いメス犬である。
 オノレはこれまで犬を飼った経験は一度もない。
ヤマノカミは犬好きで、
ずいぶん以前から「飼いたい、飼いたい」と吠えておった。
オノレはどちらかといえば猫好きであったが、
犬がキライなわけでもない。
ただ、キャンキャン吠えられるのは苦手である。
吠えるのはヤマノカミだけで十分なのである。
明日から暮らしを共にするオトメが、
必要以上に吠えず、つつましい乙女であることを、
そのようにヤマノカミがしつけてくれることを願いつつ、
チト胸をドキドキさせながらオノレは待っている。
 ところでオノレの家族には、
すでにインコのドッポとカラスのタイチャンがおる。
はたして犬鳥の相性はいかがなものであろうか?
とくにタイチャンと犬猿の仲だと、
この先の苦労が思いやられてオソロシイ。


  小泉政権は 「靖国崇拝・拝金内閣」
Date: 2006-01-19 (木)

 人混みや電車内ではマスクをするなど、
日頃風邪防御に気をつけてはいるんだが、
どうも昨日から風邪の症状である。
ま、水っ洟と咳がすこし出るくらいで、
この先それほど酷くなる感じはないが…油断できん。
 マンション偽装、ライブドアの粉飾決算、
拝金社会のウミが次々と出てくる社会。
裏には常に代議士の姿ありで、
彼らは事件との関係を常套句でイケシャーシャーと否定し、
かような政治家がヌケヌケと暗躍する中で、
消費税やら福祉の切捨てやらと国の予算が決められてゆく。
 小泉内閣の、拝金主義を煽るばかりの「改革」なんざ、
とっくに「破綻」しとるとオノレは思っとる。
オノレが小泉政権のキャッチフレーズをつけるとすれば、
「靖国崇拝・拝金内閣」てえところだな。
しかしその「ハタン」のツケを最も背負わされるのは、
いつもか弱い無権力の人々だと…、
そう考えるのはオノレだけかい?!


  蜂の一刺し
Date: 2006-01-17 (火)

 日本人が劇場へ足を運び演劇を観る回数は、
年平均何回くらいになるのだろう?
たぶん一回にもならんのではないか…。
生の芝居を一生観ずに人生とオサラバする人も多いであろう。
商業演劇や大劇団でさえも、テレビ・映画に比べれば、
オノレにはおそろしくマイナーな世界に思えてしまう。
それでもオノレたち、
マイナーな世界でも超マイナーな有象無象のグループは、
予算的限界や集客に喘ぎつつも、飯より好きな芝居をするため、
いろいろナイ知恵を絞って工夫し、
ギリギリ経済的努力をしてガンバッとる。
にも関わらず、かようにマイナーな我々舞台の客席を見渡せば、
関係者の身内や知人、芝居仲間と思われる客の顔だらけ。
一般の方と思えるお客は決して多くないのが実情なんだナ。
(だからこそ超マイナーてえわけか?!)
で、その少ない貴重でモノ好きなフリー客はもちろん、
関係者とのつながりで観に来る義理人情客も、
時間や小遣銭のギセイをはらって観たその舞台の出来が酷ければ、
次はなかなか観てくれんし、チラシを見ても腰が重くなる。
 かようなわけで、今のところ年一公演の独歩プロデュース公演は、
オノレにとって手抜きできない、
重い腰をあげて観にきてくれる方々を失望させてはならん、
まことにプレッシャーを感じる舞台なのである。
で、その舞台によって、
ともすれば商業演劇や大劇団ばかり注目されがちな演劇界に、
蜂の一刺しくらいのショックをあたえることができればなア…!


  CDドラマ 「俺たちのステップ」
Date: 2006-01-16 (月)

 昨日の日曜日はCDドラマの音声収録。
「俺たちのステップ」という作品で、
漫才の世界に飛び込んだ若者二人のコンビが、
その世界で成長しステップしていくCDドラマの第一弾である。
 オノレは落語界の重鎮で人間国宝・叶屋夢蔵というアリガテエ役。
で、ドラマの中で「鴨葱」という、
このドラマのライターが創作したコテン落語の一部を語る羽目に…。
とにかく「人間国宝」の語る落語でござんすからネ。
いやどうも、オノレは収録中、
久しぶりに初心な新人のごとく、
マイク前に突立ッて足がワナワナと震えちまったな。
さよう、本物の落語家のごとく正座で語れば、
足の震えもチットは誤魔化せ、
いくらか落ち着いて語れるような気もしたんだが…。
 役者人生初体験の落語。
ホンマ、冷や汗がタラタラ〈オチ〉た。

    「俺たちのステップ」サイト
http://www.wonderfarm.co.jp/ore-step/story.html


  雨の土曜日
Date: 2006-01-14 (土)

 午前から午後にかけて企業PRビデオナレーションの仕事。
収録を終えて昼飯も食わず、
飯田橋から新宿御苑までゼーゼー息を切らして駆けつけ、
何とかシアターサンモール二時開演の芝居に間に合った。
遊人塾・劇舎というグループの公演。
「あヽのんきだね」という作品で、
明治から大正にかけて生きた演歌師、
添田唖蝉坊を主人公にしたお話しであった。
 オノレの親しい役者さんが三人も客演しており、
どうしても観ておこうと思ったわけだが、
どうしても観なければソンするほどの作品ではなかった…ゴメンナサイ。
しかしオノレにとって大切な芝居仲間のお三方は、
それぞれ涙ぐましくガン張ッておりました。
岡部政明さん、黒田利夫さん、川崎初夏さん、
まことにお疲れ様でした!!
(岡部・川崎のお二人は、この秋の独歩の舞台に出演していただく)
 芝居の観劇を終えて外に出ると強い雨。
オノレは久しぶりのお湿りにホッとし、
風邪予防のマスクを外して地下鉄に乗った。


  夜中のトイレ
Date: 2006-01-13 (金)

 オノレは夜中、必ず一度はトイレに立つ。
チト水分を取りすぎれば二度三度立つ日もある。
これは今年のように厳冬だとまことに辛い。
一日中オイルヒーターを入れっぱなしにしておきたい気もするが、
日頃ヤマノカミは光熱費の節約にウルサイ。
ま、その健気な意思を尊重し、
オノレも努めて節約に協力し我慢しとるが、
節約もほどほどにせんとそろそろキケンかもな。
温い布団と冷えた部屋の温度差は、多分30度くらいはあるだろう?
この時期、トイレであの世へ逝く方も少なくないという。
とにかくオノレはギリギリ我慢し、
よんどころなく破裂しそうな膀胱を抱えてトイレに立つ。
ところが精一杯我慢したツケで、
小水すべてを出し切るまでけっこうな時間を要しちまう。
五分以上もトイレに立ってると思う感覚のときさえある。
で、身い震わせつつ放出し終われば、
我が肌は冷えたビール瓶のごとし…である。
凍えて息も絶え絶え、
オノレはトイレから七メートルほどを小走りし、
命カラガラ、温い布団の中へもぐりこ込む。
で、そのときつくづく思うのだ。
生きとし生ける動物の、この体温の偉大さ、ありがたさ。
文明の利器によって生まれる人口熱ではない、
三十六度前後の、自然の温もりのやさしさを。
 でもこれからは、できれば膀胱満タンになる前に、
トイレに立つ勇気をもとう!


  映画 「ライフ・イズ・ミラクル」の吹替
Date: 2006-01-11 (水)

 この三日間で戦争をテーマにした二つの作品をさせていただいた。
一つはNHK・BS1、世界のドキュメンタリー「証言・ヒトラーの最期」。
文字通り1945年4月、ヒトラーが総統官邸の地下壕で自殺した前後を、
当時の側近たちが生々しく語ったドイツのドキュメンタリーである。
(放送・1月20日21:10〜22:00)
 オノレは当時のドイツ国防軍副官、
ローリングホーフェンという人物のボイスオーバーを担当。
 世界の人々を震撼させ残虐の限りを尽くした独裁者が、
その責任を放棄し自殺するまでの様子がよくわかる。
 もう一つはボスニアの民族紛争をテーマにした、
「ライフ・イズ・ミラクル」という映画の日本語版吹替。
2004年、フランス・セルビア=モンテネグロの、
共同製作でつくられた作品のようだ。
なかなかの大作で見応え十分。
二時間半を超えるが、リハーサル用ビデオを見ていても、
オノレはまったく退屈しなかったし腹を抱えて笑い転げた。
あの悲惨な民族紛争が背景にはあるのだが、
決して暗く重たい映画ではなく、
ちとブラックなコメディー映画のように思える。
とにかくその奇妙な明るさと長閑さとバカバカしさと風刺の妙を、
渾然としつつ融合させた監督、
エミール・クリストリッツァの演出力はしたたかで見事である。
映画の終わりになるほど、戦争の酷さ悲しさ、
人の愛の切なさ哀しさに、オノレの心はキュンと締めつけられた。
 オノレの吹替えた役はヴェーリョという郵便配達。
底抜けに面倒見のよい、朴とつそのものの人物で、
オノレにピッタリの役どころ…のような気がする。
 アミューズソフトエンタテイメントから、
そのうちDVDで発売されると思うが、オススメです!


  雪害
Date: 2006-01-07 (土)

 今年は西日本でも雪が多く、
北陸・東北の雪害はかなり深刻だな。
オノレは暮れから元旦まで、ヤマノカミの故郷、
青森県五戸町でのんびり過ごした。
青森でもこの辺りは雪の少ないところらしいが、
やはり今年はいつもの冬より寒く雪も多いという。
それでも屋根の雪下ろしをするほどには降っとらん。
とにかくテレビのニュースで、
堤防のごとく何メートルもの高さで続く雪国の道を見ると、
さすがのオノレもブッたまげる。
かような土地に暮らす人の苦労を思うと、
その地の温泉なんぞに行って、
「雪景色を肴に燗酒飲みつつ露天風呂につかりたい」、
なんてえ極楽トンボな気分にはナカナカなり難い。
 ところで国はかような雪害に、
十分な対策費を出しているのであろうか?
例えば政党助成金なんぞというアホなカネを出すくらいなら、
そのカネで、命がけで雪下ろしをするお年寄りをタスケロ!
やりがいのある仕事を見つけられんニートの若者や、
体力のあり余る学生を、それなりの高い報酬で募れば、
けっこうな人数が集まるのではないか?
さすればオノレも、懐さえ寒くなければ、
心置きなく安心して温泉に行けるぜ。


  これからは…
Date: 2006-01-06 (金)

 76・80・79・68・91・74・76・73・80・80…。
昨日の朝刊に掲載されている亡くなった人の寿命。
この季節、新聞の死亡欄はまことにニギヤカである。
七十代が多いのはあたりまえなんだろうが、
それはつまり六十代のオノレの命も、
すでにあと二十年以内で尽きる可能性が高いッてえことだよな。
況や間違って百まで生きるとしても、
待っているのは老いに「過酷」な社会だけではないか?
 オノレがいつ「宇宙のチリ」と化すかわからんが、
これからは生きることにも死ぬことにも、
それなり覚悟をもった日々を過ごさにゃならんわい!


  明日が仕事始め
Date: 2006-01-04 (水)

 新年を迎え、アッという間に三が日も過ぎて、
今日から仕事始めの人も多い。
オノレは明日5日が仕事始め。
ディズニー映画「ナルニア国物語」の日本語版吹替え。
この三月上旬に公開予定らしいがなかなかの大作である。
オノレはビーバーさん役をいただき、
まことにやりがいのある嬉しい作品で、
今年の初仕事のスタートを切る!

      映画「ナルニア国物語」サイト
http://www.disney.co.jp/movies/narnia/shell_content.html