オノレ日記帳

2006年6月の記録



  地獄の責苦!
Date: 2006-06-30 (金)

 昨日は久しぶりにWヘッダーでの観劇。
二本とも新作の創作劇であったが、
オノレの心をいい意味でかき乱してはくれんかった。
とくに夜の舞台は、地獄の責苦をうけた気分になったぜ。
 都内・某小劇場、定員60人ほどのスペースにぎっしり満員。
冷房がまるで効かず、サウナに閉じ込められて観劇しているような状態でさ…、
およそ一時間35分の上演時間がナゲ〜のナンのッて!
ホンマ、年寄りの目立つ客席で死者が出なかったのは不幸中の幸いだろう。
で、とにかくその舞台のあまりにでたらめな脚本・演出にビックラ!!
およそチケット代を頂戴し客に見せるレベルの芝居ではない。
終演後、オノレはかなりの二重三重苦に心身ともに疲れ果て、
脱兎のごとく小劇場とオサラバし、
息絶え絶えに帰路の電車に乗ったのである。
 それにしてもあの蒸し暑さの中で、
汗みどろに最後まで演技し続けた出演者の皆さん。
その成果を考えると、疲労感ばかりが後に残る、
過酷な舞台ではなかったか…と、つい要らぬ同情をしてしまう。
我々お客共々、ホンマにお疲れさんでござんした。


  身体能力
Date: 2006-06-28 (水)

 サッカーW杯の幾つかの試合をTV観戦し、
その選手たちの身体能力の凄さに改めて舌を巻く。
90分間、縦105m×横68mのグランドを、
敵とぶつかり、或いは避けたりしつつ走っては蹴る。
しかも常に敵と味方との関係を考えながらだ。
 ところで、オノレが観ていて気づいたのは、
優れた選手ほど無駄な動きが少ないてえこと。
故にそのパフォーマンスは力強くしなやかで美しい。
いかに身体能力が高くても、
全体が見えず、むだな動きばかりする選手はアカン。
味方の足を引っ張るばかりで反則も多い。
サッカー音痴のオノレでもそう感じる。
 さて役者という仕事も、かなりの身体能力を求められる。
もっとも役者の場合、その全てが、
サッカー選手のごとき身体能力の強さを求められる…、
てえことでもない。
体力的にかなり衰えた老役者の名演技もある。
それに我々の舞台で、90分間ハードに動く役なんざ、
よほど特殊な芝居を除いてはまずない。
で、エラそうに言わせてもらえば、
相手役との関係も考えず、
自己本意にコチャコチャ煩く身体表現する役者は、
せっかくの芝居をぶち壊す存在にもなりかねんのだ。
オソロシイ演出家は、かような役者にレッドカードを出す。
 そうなのである。
優れた演技者は、優れたサーカー選手のごとく、
一つ一つの動きに無駄がない。故に佇まいも美しい。
 ええ、そりゃもちろんオノレも舞台に立ったら、
芝居をぶち壊すような無駄な動きをしちゃならんと、
常々オノレを戒めて…おることは、おるんでやんすがネ。


  リセット!
Date: 2006-06-27 (火)

 昨夜は久しぶりに「CSI科学捜査班」の出演者たちと飲む。
話題の中心は、家族3人を放火殺人した奈良の事件をはじめ、
頻発する少年犯罪に関しての疑念。
身内を殺してまで「リセット」したいと考えた少年の心の闇を、
我が『吹替捜査官』たちの頭脳によって必死に解明。
喧々諤々、さまざまな推論が飛び交ったぞ。
しかし科学捜査専門の我々にとって、
犯罪心理学はどうも苦手なようである。
結局、少年の深い心の闇を明快に分析した捜査官はおらんかった。
 最近余り飲まない日本酒を飲みすぎたようで、
今朝はいささか頭が痛い。
このオノレの二日酔いを、早く「リセット」せにゃならんわい!


  末の露 本の雫 …
Date: 2006-06-26 (月)

 この二月のうちに、三人の役者&声優さんの訃報。
七十代が二人、五十代が一人。
つい最近には、某劇団の二十代の若い役者さんが、
オートバイ事故で亡くなった。
彼と仕事をした記憶はないが、声優の仕事もしていたという。
 《末の露 本の雫》とはいえ、
哀しい梅雨空の報せである…。


  梅雨ボケ
Date: 2006-06-23 (金)

 ここ一週間ほど「日記」を休んだ。
書けぬほど多忙な毎日だったわけではない。
書く材料もたくさんあったと思う。
しかしそれを文字にすべくオノレの脳が明晰にならん。
どうもこれは《梅雨ボケ》かもしれん。
 梅雨明けまでは長いな…。


  母の小言
Date: 2006-06-16 (金)

 オノレが餓鬼の頃、母によく言われた小言。
「あんまりホジルとお団子みたいな鼻になるよ」
 それほど大きな団子ッ鼻にはならんかった。
「ポキポキ鳴らすと、どんどん太くなって、
歌舞伎役者の指にならないよ」
 たしかに繊細さのカケラもないオノレの指。
歌舞伎役者にならんでヨカッタ。
「寝しなにお水を飲むと、またオネショだよ」
 で、なるたけ我慢し飲まずに寝たが、
それでもやっぱりオネショをした。
 大正生まれの母は、ただガミガミ叱ることはなかった。
その理屈が正しいかどうかはさておき、
いつも叱るわけを必ず言った。
 さて、いまどきの親はどうだろう?


  W杯 「日本対豪州戦」
Date: 2006-06-12 (月)

 W杯、日本対豪州戦。
前半1=0で勝っていた日本であったが、
後半39分過ぎあたりから瞬く間に3=1と逆転され、
逆転されたところで、オノレはテレビを切ッちまった。
多分、残りのロスタイムで逆転は不可能であろう。
 前半、1点リードしたとはいえ、
そのゲーム内容は豪州が一方的に押し捲ッとった。
その豪州の猛攻を防いだ、
前半のGK・川口のブレーは圧巻であった。
が、次々敵の攻撃を防いだ、
余りに素晴らしい己のプレーに、
彼はチト陶酔し過ぎて舞い上がり、
自信過剰になッちまったナ。
で、出しゃばりすぎて、
とんでもない大怪我をしちまった…。
てえのが、サッカーに素人の、
オノレの素朴な印象である。
 いずれにせよ日本のW杯は、
どうも今夜で終わったような気分である。
かような豪州との試合内容で、
日本がクロアチア・ブラジルに勝てるとはとても思えん。
 オノレはジーコという監督に好感をもってはいるが、
日本のサッカーが、
世界的レベルの肉体的・精神的な強靭さを持つには、
まだまだ長い時間が要ると痛感した今日の敗戦である。
 さて、まことに残念な結果であったが、
おかげでこれから先、
寝不足で仕事に出ることもなさそうだ。
が、それでもやっぱり…クヤシイ!


  今日は梅雨明け?
Date: 2006-06-10 (土)

 関東は昨日梅雨入り宣言。
で、翌日の今日梅雨明け宣言…てえような快晴。
我が家のマンションから、
まだ残雪のある富士山がおどろくほど間近に見える。
 ドイツ・サッカーW杯も開幕。
ここ一月は時を忘れて、熱気と狂乱が世界規模で渦巻くのか。
 一方日本国内では、子供が殺される事件がいつからか連鎖し、
去年広島で起きたペルー人の少女殺害さえ、
もはや遠い日の事件に思えてくる。
 人間社会に事件・事故はつきものとはいえ、
年々深まるその病巣を除去するメスも名医も見当たらん。
 露に塗れた紫陽花が、
去年に比べ妙に美しく見えるそれだけが、
オノレの心を平和にしてくれる今朝であった。
 嗚呼、ニッポン!?

  指先に紫陽花の露すくいとる   麦  人


  濡れ手で粟の煩悩
Date: 2006-06-08 (木)

 ライブドアや村上ファンドの事件は、
オノレの見る夢にまで影響を及ぼしとる。
 今朝、オノレは夢の中のインターネット証券で株の売買をし、
ナ、なんと二千万円を儲けたのである!
(それにしても村上さんに比べて、ナ、なんとツツマシイ…。)
 さて、オノレはこの稼いだ二千万円をどのように使ったか?
まず二百万円は、オノレの今後の競馬資金としてIPAT、
日本中央競馬会の専用口座へ。
三百万円は、この十年で負けた馬券代としてヤマノカミへ返済。
二百万円は、インターネット証券会社の口座に、
これからの運用資金として残しておく。
で、五百万円はマンションローンの繰上げ返済。
残り八百万円。これはもちろん独歩プロデュース公演の赤字補填。
さらに今後の公演資金として預金したのであった。
 このシアワセな夢は儚く覚めてオノレはガックリ。
まことにオノレのごとき俗物から、
濡れ手で粟の煩悩を無くすのは至難の業でありますなあ…!


  割箸の高騰!
Date: 2006-06-07 (水)

 現在、日本の割箸の97%は中国から輸入されるものだという。
その中国製割箸の原材料になる白樺の値段が高騰し、
飲食店やらコンビニやらが四苦八苦しとるようだ。
また原木の乱伐による中国の自然破壊も深刻らしい。
 使い捨ての割箸はいろいろ重宝ではある。
しかしその代償として、飯を食うたび使い捨ての割箸と共に、
我々は貴重な自然の恵みも使い捨てていることになる。
 日本人は、使い捨てない自分の箸を携帯し外食する生活習慣を、
すぐ今日からでも身につけるべきである。
 「ヤマノカミ、早速携帯専用箸と箸箱を買いに行くべえ!」


  夢の電車
Date: 2006-06-06 (火)

 オノレが見る夢には幾つかの定番がある。
火事・高所恐怖症のようなありがたくない夢とか、
空中遊泳をしている爽快な夢とかが、よく見る定番の夢。
そのリストの中に、だいぶ前から電車バージョンが加わった。
 決まって新宿かと思われるホームを、
オノレが右往左往するシーンから始まり、
おそらく吉祥寺と思われる駅に下車するあたりで終わる。
しかし乗る電車は中央線でも総武線でもない。
何となく武蔵野線のように思える。
滅多に乗らないあまり馴染みのない電車だ。
「おい、この電車は吉祥寺に行ったかいな?」
 オノレは半信半疑に揺れる車窓の風景を眺めとる。
ところが眼に映る景色はおそろしく長閑な田園。
駅と駅の間隔は長く、偶に停まる駅名に憶えもなく、
そのホームには人影のカケラも見えん。
やがて電車は田園から山間へと向かい、
幾つものトンネルを抜け、
峡谷の鉄橋を渡り、車窓には再び田園風景が…。
 夢では四五十分くらい乗っている時間が経つ。
と、景色は突然見慣れた吉祥寺駅周辺に変わる。
電車が停まり、オノレは間違いなく吉祥寺駅に下車する。
「それにしても、中央線・総武線でもないこの電車が、
あんな田園や山間を走りぬけ、
どうして新宿〜吉祥寺を繋いでるんかい?」
 オノレはずっと半信半疑のままである。
オノレは作務衣のポケットの切符をまさぐる。
「ないッ!」
 無賃乗車をしちまったらしいオノレは、
どう改札を抜けようか考えあぐね、顔色は真ッ青!
 さて、最近定番になりつつあるこの夢は、
細かいシチュエーションは見る度変わるものの、
大筋はだいたいこのような流れである。
 オノレにとってラストシーンは余りよい気分ではない。
しかし全体的に、夢見てそれほど不快な夢でもない。


  一日半で風邪を撃退 !
Date: 2006-06-05 (月)

 先週の土曜日、午後3時に仕事を終えスタジオを出たとたん、
咽喉の奥に異常を感じ咳き込む。
「ヤバイ、風邪の症状…? 明日の昼も仕事だし、
夕方からは独歩ブロデュース・11月公演《はるなつあきふゆ》の、
初顔合わせを兼ねた親睦会ではないか!」
 早々に帰宅し葛根湯を飲む。次第に熱っぽくなり、
そこでまた葛根湯を飲んで、八時半過ぎには布団の中へ。
が、なかなか寝つかれず、汗はどんどん出てくる。
しかしじっと我慢。汗の流れるに任せてウトウト…。
 夜中一時半、体にまとわりついた汗の、
余りの気持ち悪さに耐えられず起きて着替え。
ついでにタップリ水を飲み、再々度葛根湯を飲む。
それからも汗はとめどなく流れ、
夜中に着替えをすること数度。
で、起きたついでに、その都度タップリと水を飲む。
その都度、葛根湯はさすがに飲まない。
 どれだけ眠ったのか眠らんかったのかわからんまま、
日曜の朝七時、ボーッと起床。
体はまだチト気だるいものの熱もなく、
ようやく咳き込みは止まった。
しかし油断することなく、
またタップリの水と葛根湯を飲んで、
十時過ぎ仕事場へと向かう。
 今日の仕事は一昨日・昨日に続いて、
このところ一月にわたって収録している、
ドキュメンタリー・シリーズのナレーション。
今まで収録したものと変わりない声を出せて一安心。
否、むしろこれまでよりエエ調子だった気がせんでもない。
それでも努々油断することなく、仕事が終わると同時に、
ペットボトルの水と一緒に葛根湯を忘れずに飲む。
 夕方5時。初顔合わせ&親睦会。
その頃には、おおよそ体調も回復。
集まった二十数人の出演者やスタッフと、
和気藹々のまことに愉しい三時間を過ごすことができた。
しかも二次会にまで参加するほどの元気もあった!
 日が変わるチョイと前、おおいに酩酊して帰宅。
万一ぶりッ返さんよう、やはり葛根湯を服用し、
もちろんタップリ水も飲んでからバタンキュー。
すると珍しく夜中のトイレに立たぬほど熟睡。
じつに爽やかな今朝の目覚めであった。
おお、何とオノレは今回の風邪を、気力と水と葛根湯により、
わずか一日半で撃退するという「快挙」を成し遂げたのである!
 それでも気を緩めちゃいかんと、念には念を入れ、
今日一日は、熱や咳に効く葛根湯から、
鼻詰まりや鼻水に効く小青竜湯に換え、
タップリの水と一緒に3回飲む。


  ホトホト疲れた水曜日
Date: 2006-06-01 (木)

 昨日の水曜日。
午前中は東急東横線・都立大学前にあるスタジオで、
企業ナレーションのリテイクを収録。
 午後は池袋へ出てカレーの昼食。
満腹してからドトールコーヒーへ。
およそ一時間、朝刊なんぞを読みつつ時間を潰す。
 15時から東京芸術劇場・中ホールで京劇。
上海京劇院の「楊門女将」という作品を観た。
 京劇が五時に終演し新宿へ出る。
チト本屋をぶらつき、また喫茶店で一時間。
180円ではなく、
いまどき630円というお値段のコーヒー。
 19時から某声優プロダクションの、
まことに騒がしいというかニギヤカなドタバタ劇を観劇。
これが22時ちかくの終演で、
自宅に着いたら23時を過ぎとった。
 長い留守番に怒っている様子のオトメを膝に乗せ、
なだめつつ小突きつつ、泡盛をロックにして二三杯。
そのツマミというか晩飯は、ハムトーストにチーズと黒糖。
 さて、京劇を一緒に観てから別れたヤマノカミは、
やはり京劇を共に観たオノレの芝居仲間連中と、
22時頃まで、どこぞの居酒屋で気勢を上げ続け、
さらにカラオケボックスで奇声を発し続けたらしい。
で、オノレに妙にやさしい今朝の声音を聞くと、
たぶん千鳥足よろしく真夜中のご帰還だったにちがいない。
 ホトホト疲れ、珍しく熟睡しとったオノレは、
酔いどれ女にカラマレズ、タスカッタ!