オノレ日記帳

2006年8月の記録



  いよいよ…!
Date: 2006-08-29 (火)

 八月も終わりに近づいた。
あと三日後には月が変わり、いよいよ九月二日からは、
「はるなつあきふゆ」の稽古がスタートする。
ここまで可能な限りの制作的準備はやり果せたが、
これからやらねばならない制作面の仕事もまだまだ多い。
で、今後はヤマノカミと若いスタッフに、
そちらの方の諸々を頑張ってもらい、
オノレは演出と役者の仕事になるべく徹したい。
 オノレの心は、新たな創造の旅を前にして、
少年のようにワクワク・ドキドキ…ときめいとる!


  「X−MEN2」
Date: 2006-08-27 (日)

 昨日の土曜日は、テレビ朝日・日曜洋画劇場で放送する、
「X−MEN2」の音声収録で、終日スタジオにカンヅメ。
我がピカード艦長…否、プロフェッサーXこと、
チャールズ・エグゼビアさんと三年振りのご対面であった。
放送は9月10日の夜九時からである。
 すでに「X−MEN3」も公開されとるが、
これがTVで放送されるのは、また三年先のことになるのかな?
 パトリック・スチュアートさんもオノレも、
どんどん齢を重ねてジジイになるばかり。
それでもアチラはコチラより余り老け込まず、
ずいぶん達者に活躍しとるように思える。
日本のしがない三文役者が、
世界的名優と比してもせん無いことではあるが、
いただくギャラの格差も月とスッポンでござんすからねえ…。
「役者としての技量はどうなのかしら?!」と、ヤマノカミ。
 答えるも虚しいのであった! 


  二本のシリーズ・アニメ
Date: 2006-08-24 (木)

 長年してきたCDドラマのシリーズ、
「少年陰陽師」がアニメになる。
オノレは主人公の少年・安倍昌浩の祖父で、
大陰陽師の安倍晴明役をさせてもらっとる。
 本日はその第一回の音声収録であった。
全体の七割くらいに絵が入っており、
その限りでは、仕上がるとなかなか面白くなりそうな気配!
 この八月からは、「ネギま!?」というアニメシリーズでも、
ナレーションをさせていただいとる。
こちらは若い女の声優さんがワンサカ活躍する、
オカルトな学園もの。
オノレは大真面目に、目一杯「クセ」のあるナレーションで挑み、
初回の収録で監督さんなどがOKするか、チト心配であった。
が、結果オーライ。
「こいつはノリノリ突ッこんでやれるわい!」と、
その「クセ」を、監督・スタッフから抑えられるまで、
どんどんグレードアップさせるつもりである!


  「複眼の映像 − 私と黒澤明 ー」(橋本忍・著)
Date: 2006-08-23 (水)

 久し振りに単行本を読む。
橋本忍・著「複眼の映像 − 私と黒澤明 ー」。
橋本忍は「七人の侍」他、何本もの黒澤作品の脚本を、
共同執筆したシナリオライターの一人。
その彼が、黒澤組シナリオ制作現場での、
生々しい体験と葛藤を綴った内容だが、
半日がかりで一挙に読んでしまった。
 橋本忍という人は、
シナリオライター・伊丹万作の唯一の弟子であったらしい。
彼はこの本の中で、
その師の映画憲法第一条だという言葉を引用している。

 良イシナリオカラ、悪イ映画ガ出来ルコトモアル。
 シカシ、イカナルコトガアッテモ、悪イシナリオカラ、
 良イ映画ガ出来ルコトハナイ。

 芝居も同じことがいえるだろうな。
せっかく良い脚本なのに、出来の悪い芝居になってはアカン!


  高校野球で『禁テレ』解禁
Date: 2006-08-20 (日)

 今日は仕事もなく、プライベートな予定もなかったので、
ついに『禁テレ』を解禁し、高校野球の決勝戦をTV観戦。
もちろんここまで高校野球を観とらんかったのであるが、
最初に観た試合が決勝戦で、しかも「1対1」の引分け再試合。
ホンマ、高校球史に残る素晴らしい試合であった!
明日も夕方まで用事がないからTV観戦できるぞ!
もう『禁テレ』は忘れた!!
 さて、駒大苫小牧も早実も延長15回を戦い、
死力の限りを尽くした投手戦であったから、
明日は激しい乱打戦になるかもしれんな。
ま、今日これだけの試合をすれば、
最後は球運がどちらに向くかで勝負が決まる。
結果がどう出ようと、負けたチームの選手も満足だろう。
 それにしても早実の斉藤投手はよう投げた。
オノレは明日も投げるであろう彼にちょっぴり肩入れして、
早実を応援したい気持ちである。


  早や残暑…。
Date: 2006-08-19 (土)

 立秋過ぎて、今の暑さを「残暑」という。
感覚的にはこの形容がまだピンとこない毎日だが、
今朝の四時半過ぎに目覚めると、静かに秋の虫が鳴いとった。
 オノレの自宅マンション5階のバルコニーには、
鉢植えの緑がけっこうある。
コンクリートの壁を這い上がり、
アジトを探す虫がいつの間にか住みついたのであろう。
地上の方がはるかに過ごしやすいと思うのだが、
こちらの方が『虫口密度』も敵も少ないってえことかな…?
 
 人の息うかがうような秋の虫  麦  人


 
Date: 2006-08-18 (金)

 昨夜の雷に愛犬のオトメはずいぶんビックラしとった。
この夏もどうやら台風の当たり年になりそうな気配濃厚で、
チト心配になる。
 去年の今頃、オノレは『象』の公演を終え、
ホッと一息ついとったんだが…、
あれから早や一年が過ぎちまったというわけだな。
 今年はいよいよこれから慌ただしく、
ホットできない稽古と本番の日々が続く。

 雷にヘソの真上で力瘤   麦   人


  勉強会
Date: 2006-08-17 (木)

 十日ほど前、蓮池龍三君が、九月からの稽古を前に、
11月公演「はるなつあきふゆ」の、
自主勉強会をやりたいとのファックスをくれた。
プロデューサー&演出のオノレとしては、
彼のかように前向きな姿勢が踊りたくなるほど嬉しい。
で、その第一回目が昨日ひらかれ、
小生は出演する役者の一人として参加させていただく。
八月半ばという時期的なこともあり、
残念ながら蓮池君の他に参加したのは、
オノレと加藤土代子さん、松岡みどりさんだけであったが、
(ヤマノカミも見学)
まことに有意義な四時間だったな。
とくに今回の出演者中、最長老である七十六歳の加藤さん。
この暑さにもかかわらずホンマに元気で、
芝居に対する溢れんばかりの熱い思いを、
エネルギットュに、たっぷりと語ってくれた。
女優暦五十年以上になるであろう彼女の重みと存在感は、
今度の芝居の大切な要となって客の心を打つだろう!


  終戦記念日…。
Date: 2006-08-15 (火)

 終戦記念日…戦後六十一年の時が流れた。
今朝、我が国の総理大臣は「公約」を守るべく靖国神社に参拝。
その参拝を正当化するため、どない屁理屈を言おうが、
あの悲惨な戦争を遂行した当時の日本国家の指導者たちを、
「尊崇の念」をもって哀悼したのである。
 近年の日本では、偏狭なナショナリズムに執着し、
その風潮を煽るような傾向が年々強まっているような感がある。
かような傾向が強まれば強まるほど、やがて日本は、
かつてのアジアに対する侵略戦争で得た教訓を忘れ、
靖国にある「遊就館」のごとき歴史観が、
この国の正しい歴史として教科書になる時代がくるだろう。
 今、小泉首相の参拝を機に、我々日本国民一人ひとりの、
過去と未来に対する姿勢のありかたが、
改めて問われているのだ!


  「CSI科学捜査官」シーズン5の音声最終収録
Date: 2006-08-14 (月)

 今日は「CSI科学捜査官」シーズン5の音声最終収録。
収録終了後、一泊の打ち上げ旅行となる。
が、仕事の都合でオノレは参加できず実に残念。
 CSIのシリーズも、我々ラスベガスの他、
今やマイアミ、ニューヨークが放送されとる。
たがいに人気を食いあって、そのうち共倒れ…、
なんてえことにならんか、チト心配。
ま、ラスベガスは、後2シーズンは続きそうな気配だが…。
とりあえずこれから半年間は、日本語版吹替収録はお休み。
 出演者、スタッフの皆さん、ほんまにお疲れさんでした!


  若者たち…!
Date: 2006-08-13 (日)

 このところプライベートな時間の中で、
秋公演の出演者やスタッフとチョコチョコお会いし、
互いの理解を深めるための話し合いをしている。
 昨日は裏方スタッフで参加する二十代、
三十代の若者五人を自宅に招き、
ささやかながらヤマノカミの手料理でもてなし、
稽古でのそれぞれの役割などを確認し合った。
プロンプ、代役、スケジュール調整、稽古場管理etc…。
彼らにはこれから先、
縁の下の力持ちとして大いなる力を発揮してもらわにゃならん。
オノレと語る彼らの生き生きとした眼光に、
とにかくオノレは勇気づけられ、
ことの他旨い酒を飲んで過ごした六時間であった。
 出演者平均年齢六十ちかい11月公演において、
彼ら裏方の若々しいエネルギーは、
充実した舞台を創る頼もしい推進力として、
大きな役割を果すにちがいない!


  禁テレ!
Date: 2006-08-06 (日)

 本日より11月8日、
「はるなつあきふゆ」の千秋楽まで、
オノレはテレビを一切見ないとヤマノカミに宣言。
ならばヤマノカミも、
オノレが在宅中は見ないことにするという。
もちろん声優に関わる仕事以外の時間を、
より芝居に割くためである。
 今や我々は、テレビを見ることにそれほどの自覚をもたず、
日常多くの時間を「盗られて」いる。
ひょっとするとこれは現代人の、最大の悪しき習慣かもしれん。
 宣言したものの、これを完璧に全うできるか、
チト心もとないオノレなのではあるが、
禁テレは、禁煙よりも自信があるぞ!


  お許しあれ!
Date: 2006-08-05 (土)

 この八月からは、
有難いことに声優としての仕事が実に忙しく、
この暑さもあって、ハードな毎日が続きそう。
しかもそのスキを縫って、
11月公演の準備も抜かりなくせにゃならん。
で、当分「オノレ日記帳」を更新できない日々が多くなりそう。
チョコチョコのぞいてくださる皆さんには申し訳ないが、
どうかお許しあれ!


  世界ライト級タイトル戦
Date: 2006-08-02 (水)

 亀田とランダエタの世界ライト級タイトル戦をTVで見た。
もちろんボクシングには素人のオノレではあるが、
そのオノレの目で見た限りでは完全に亀田は負けとった。
1ラウンドでダウンを喫し、
我武者羅に残りのラウンドを青息吐息で戦った亀田に比べ、
ランダエタは余裕を残して12ラウンドを戦い終えとる。
しかも彼は亀田に比べ、
それほど大きなダメージを受けとるようには思えんかった。
そのテクニックも、亀田よりはるかに勝ッとる。
それでも僅差とはいえ、判定は亀田に上がった。
判定の裏に、どない事情があるのかわからんが、
かような判定が罷り通るのが、
現在のボクシング界の現状だとするなら、
今後オノレはボクシングへの興味を失う。
 日本人のハングリーな若者が、
例えインチキな判定でも世界チャンピオンになったんだ。
少しは祝福してやりたいところだが、
どう見てもフェアな精神が欠如しとるこの勝負結果に、
後味悪く、素直に祝福できぬ今夜のオノレであった!
(己が世界チャンピオンになるに相応しい試合をしたかは、
亀田を勝たせた二人の審判より、
たぶん戦った本人自身が、一番よくわかっとる!!)


  演出プラン
Date: 2006-08-01 (火)

 昨日は秋公演の演出プランを練って、つい徹夜しちまったが、
オノレはこの舞台に於いて、演出しながら出演もする。
実はこのことについて親しい方々が心配し、
これまでいろいろな助言や忠告をくれた。
まだ稽古にも入っとらんのに、
妙に感心してホメてくれる御仁もいたが、
「ろくなことはないから、出演するなら演出はよせ」、
という真っ当な意見が多かった。
この意見は、まことに真っ当な忠告であるとオノレは思う。
もしオノレと同じことをするやつにオノレが相談されれば、
「やめたほうがいい」と、
やはりオノレも忠告するような気がする。
 演出&出演では、
当然オノレも本番の舞台に立つのである。
代役を立てての稽古ばかりしとっては、
役者としての自分の稽古が疎かになる。
もちろん舞台で絡む、他の役者さんも迷惑であろう。
が、役者として稽古に参加ばかりしてると、
今度は演出としての仕事が疎かになっちまう。
ここのバランスというか、
演出と役者の立場をどう天秤にかけて使い分けるか…、
なにせ初体験のことでもある。
その量り方りの難しさに、今から足りない頭を悩ませとる。
そこで、この有り余る知恵…否、
余りないチエで辿りついた結論。
とにかく演出としても役者としても、
稽古に入ってアタフタせんよう、
最善の準備をしておくほかないではないか…てえこと。
(まことにアタリマエの結論であった!)
 とくに演出プランは、オノレが役者として、
より多く稽古に立てる状況をつくるため、
八月中には細密なプランをおよそ構築しちまおう…と、
オノレのチエとしては上出来の策を考えた。
で、さらに考えたすえ出てきたもっと素晴らしいチエは、
活字にしたそのプランを、
立ち稽古に入るだいぶ前に、役者諸氏にお渡しするッ!
これを彼らの役創りのタタキ台として十分検討してもらい、
オノレも役者の皆さんも、余裕をもって稽古に臨もうってわけ…。
グハハハ…ねえ、何だかあまりにうまくいきそうで、
思わず笑いがこみあげ、空恐ろしくなってくるのだ!
 さよう、オノレがこの浅知恵をしっかり遂行すれば、
出演者全員が、この演出の意を汲み取り、
事前の準備を抜かりなくしてくだされば…、
演出&出演というオノレのハンデも、
かなり軽減されるであろう…。
と、まあかように理想的望みをもって演出プラン創りに励み、
つい徹夜しちまうこともある、
今日この頃のオノレなのであります!!