昨夜は友人の鍵盤楽器奏者・武久源造氏さんの関わる、
《コンヴェルスム・ムジクム》というグループの演奏会を聴きに、
杉並公会堂・グランドサロンまで行ってきた。
演奏されたのは、シュッツとバッハのクリスマスに縁のある曲。
源造さんはオルガンとチェンバロを弾きながら指揮をとり、
小休憩を挟んでおよそ二時間、
相変わらずエネルギッシュな演奏パフォーマンスを、
オノレに見せて聴かせ、「魅せて」くれた。
ところでビックラこいたのは、
ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京というメンバーの方々。
二十人以上はいたであろうか…?
とにかく相当ご高齢の方々が多く、
八十を過ぎてる方もいたとオノレはお見受けしたのであるが、
もしずっとお若いのであったとしたらゴメンナサイ。
しかし音楽を理解する知識に乏しいオノレでも、
このシニアの多い合唱団のレベルは大したもんだと感じた。
ま、門外漢のオノレにとって合唱のレベル云々はさておき、
歌っている彼らのその姿を見ているだけで、
実に愉しく飽きない時間であった。
メンバーそれぞれの歩いてきた人生をこちらでカッテに想像しつつ、
精一杯歌うその合唱に耳を傾ける。いやもうそれだけで、
聞えてくる声の響きはより一層味わい深いものとなった。
さよう、彼らの合唱を聴きつ見ながら、
オノレの頬は思わず何度も緩んだのであります。
近所の人のよい八百屋のオカミサンみたいな人がいる。
昔、教壇に立っていた、生真面目な先生のような人がいる。
そして若き頃、女優の夢破れし風情を漂わせている人。
はたまた無口な職人あがりで頑固オヤジのように見える人…。
それらの方々の白髪や皺や楽譜を見る瞬きや表情から、
理解できないドイツ語の歌詞を凌駕し、
オノレに伝わるってくる世界があった。
そのまことに劇的ともいえる世界を、
このボンクラ頭の中でではあるが、
オノレはオノレなりに熱い想いで見ていたのだ。
「若さ」だけが生きる価値や力ではない…と、
つくづく、嬉しくなるほど教えてくれた演奏会。
オノレは改めて、ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京の方々に、
大いなる「連帯」の拍手を送る!