オノレ日記帳

2007年2月の記録



  「いとしいとしのぶーたれ乞食」(作・清水邦夫)
Date: 2007-02-28 (水)
 四月にオノレが舞台に立つシアター風花姿伝で、
NANYA−SHIP公演、
「いとしいとしのぶーたれ乞食」(作・清水邦夫)を観劇。
オノレの大好きな役者、すまけいさんが出ていてガンバッテいた。
おそらく1970年前後の時代状況から生まれた作品だろうが、
今日上演するに生易しい作品ではない。
★★★…。

  オトメの愛
Date: 2007-02-27 (火)
 ヤマノカミは父の葬儀を終えて今夜遅く帰宅する。
で、昨夜から今日の午後までオトメの面倒はオノレがみとる。
といっても、食事と朝の散歩、糞の始末くらいのこと。
普段、ヤマノカミをオノレより上にみているオトメだが、
ヤマノカミ不在だからといって、
それほど寂しがったり吠える様子はない。
普段と変わらぬ態度のヤンチャ娘である。
 犬の飼主にたいする愛は、
飼主の思うほど、あまり深くはないらしい…。

  ヤマノカミの父
Date: 2007-02-26 (月)
 一昨日、ヤマノカミの父が亡くなり、
今朝方彼女は実家のある青森の五戸へ。
父上は四年ほど前から癌であったが、
オノレが去年の正月にお会いしたとき、
それほど辛そうでもなく、案外元気であった。
 享年91歳。

  出演依頼
Date: 2007-02-25 (日)
 夕方、来年の独歩プロデュース公演に主演してもらいたい、
筆頭候補の女優さんとお会いして話し合い。
今年の公演の稽古に入ったばかりで、
一年先の舞台に出ていただくための話し合いとは、
チト性急に思えるかもしれん。
が、オノレのごときしがない事務所のプロデュース公演に、
魅力ある女優さんに出ていただくためには、
決して早すぎる時期ではない。
 彼女が出演を承諾するか否かはさておき、
お互い率直、誠実に語らった一時間であった!

  《てあとるらぽう》
Date: 2007-02-24 (土)
 西武池袋線・東長崎にある《てあとるらぽう》という小劇場は、
客席80人ほどの収容スペースで、駅からも近く悪くない。
この小劇場にはじめて行って、けさらんぱさらん商会、
『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』を観劇。
別役実・作の傑作というか怪作。
この作品は2004年11月に、青年座の舞台で観た。
去年亡くなった森塚敏さんの騎士役が圧巻であった。
で、今日の舞台のオノレの評価は、
★★…。
 独歩公演のチラシ折込をさせて頂いたのにゴメンナサイ。

  都知事選
Date: 2007-02-23 (金)
 「太陽が西から出ても、私が出ることはありません」と管直人。
「知事とは切っても切れない熱い友情がある」ので出馬する黒川紀章。
石原都知事サマには、友情も好意のカケラもないオノレであるが、
「空に太陽が出なくなっても、オノレは都知事選には出ない」。
 まことに残念。

  「少年陰陽師」
Date: 2007-02-22 (木)
 午後一時から、夏に封切りされるという、
「図鑑に載ってない虫」という邦画の特報ナレーション。
夕方四時から、アニメシリーズ「少年陰陽師」の最終話の収録。
半年間のレギュラーの仕事が無事終わった。
もっとも来月にはこのアニメのCDドラマを収録するし、
五月下旬にはファンの方々とのイベントにも参加する予定。
まだまだ安倍晴明さんとのお付き合いが続く。
 エガッタ!

  『プレスリーVSミイラ男』(米映画)
Date: 2007-02-20 (火)
 洋画の吹替えで一日スタジオの中。
『プレスリーVSミイラ男』という米映画。
老いた似非プレスリーの荒唐無稽な話であるが、
これがけっこう身につまされて笑えるしオモロイ。
で、オノレがそのプレスリーの声をアテた。
B級映画の一級品てえところかな?
四月頃DVDでレンタルされ、その後発売されるようだ。

  一人芝居
Date: 2007-02-18 (日)
 下北沢・小劇場楽園で、
根本和史プロデュース・出演の一人芝居を観劇。
根本さんという役者はなかなかオモロイ持ち味の方であった。
しかし舞台の面白さは、
★★★…。
 オノレも長年苦しんだのであるが、
ホンマ、一人芝居ってえのはムツカシイ!

  柔な演出家
Date: 2007-02-16 (金)
 『受付』は今日で二日目の本読み。
演出のオノレと役者、そして若いスタッフは、
この手強い作品世界を、いかなる創りで舞台化するか、
喧々諤々話し合いながら取り組んでいる。
 幸いというか、さすがというか、ベテラン役者のお二人は、
オノレの考えていることに納得さえすれば、
オノレの望む方向へと演技の質(表現方法)を変えてくれる。
しかしオノレのごとき柔な演出家においては、
この役者に「納得」して頂くための術がまことに未熟で、
いつもそう容易く納得してもらえるわけではない。
で、一つの解釈をめぐって議論するうち、
役者やスタッフの考えにオノレが納得させられ、
演出としてのプランを修正しちまうことも多々ある。
そんなとき、演出の立場をチト恥じ入ったりもするのだが、
よりよい創造のためには何のこれしき…てなもんだわい。

  『受付』稽古初日
Date: 2007-02-14 (水)
 今日は『受付』の稽古初日。
主演する稲垣隆史、大館克子さんの台詞をはじめて耳にする。
活字で読むだけでも思わず笑ってしまう作品。
しかしその笑いは決して軽いだけのものではない。
ベテランお二人の個性に満ちたキャラクターと、
長年培った役者としてのキャリアが、
笑いの裏に潜む《人》の存在の危うさや恐ろしさを、
より際立たせてくれるであろう…。
そんな期待を胸にしのばせ、
本読み初日の稽古場へとオノレは向う。

  老夫婦の夕餉の一時
Date: 2007-02-13 (火)
 今日は午後三時半から『虫たちの日』、二度目の本読稽古。
老夫婦の夕餉の一時を淡々と描写した作品。
とくに劇的な事件が起きるわけでも、
深刻な夫婦の亀裂があるわけでもない。
どこにでもありそうな茶の間の一風景。
そこに漂う老夫婦のにおいと味を、いかに客席に届けるか…。
今井和子さんと丁寧に創りあげたい。

  打ち合わせ
Date: 2007-02-11 (日)
 夜、今年の芝居の柱となるスタッフを拙宅に招き、
舞台装置、小道具など主にしての打ち合わせ。
細部を含め、どのような大道具・小道具にするかほぼ固まる。
打ち合わせの後は、もちろん飲み会。
昨夜のごとく転倒せんよう、気をつけながら愉しく酔った。
 三月十二日からはじまる立稽古が待ちどおしい。 

  中板橋で…
Date: 2007-02-10 (土)
 中板橋・新生館スタジオで、劇団・テアトロ〈海〉公演、
『見果てぬ夢』(作・堤泰之)を観劇。
★★…。
 この舞台の照明は、
いつも独歩プロデュースの照明をしてくれている明日ちゃん。
で、終演後、久し振りに一杯。
オノレの肉体は、
オノレの自覚以上に酩酊しとったようで、帰り際に転倒。
左腕を痛めてしまった…やれやれ。
きわめて軽傷であるが、公演中でなくてヨカッタ!

  二つの舞台
Date: 2007-02-09 (金)
 七日、新宿・紀伊国屋ホール。
「劇団・民藝」公演、『はちどりはうたっている』を観劇。
昔々、この劇団にオノレは所属しとった。
チケット代、6,300円也。
★★…。
「シッカリ、お願いイタシマス!」。

 八日、新宿・シアター・トップス。
「マルハンクラブ2」公演、『明日にかけるはし』を観劇。
作・演出・主演は半海一晃という方。
チケット代、4,000円也。
?なところもあったが、全体としてなかなかオモロイ。
初めて観た半海さんの舞台には、
肯定的な意味で、平田オリザさんとか、
中島淳彦さんやらと、一部似たものを感じたな。
★★★★!

  悪習
Date: 2007-02-07 (水)
 今のオノレは、酒を飲むとすぐ眠くなる。
だからあまり早い時間からの飲酒は避けにゃアカンのだが、
夕方までに仕事が終わると、
なす術もなく、ついつい五時・六時から一杯やってしまう。
で、八時頃には布団の中へ…てえことになり、
夜中の一時・二時あたりに目が覚め明け方まで…ちゅう破目に。
 この日記を記している今は夜中の三時過ぎ。
この悪習の矯正は、生酒…、生ビール…、否々、
生ヤサシクない。

  ドラマリーディング
Date: 2007-02-06 (火)
 一昨日の日曜日、三軒茶屋・シアタートラムに行き、
日韓演劇交流センター主催のドラマリーディングを観た。
三日間にわたり、韓国現代戯曲5本のリーディングで、
オノレが観せてもらったのは最終日の戯曲、
『呉将軍の足の爪』(作・朴祚烈)。
 かいつまんで説明すれば、
土着している貧農の男が兵役に招集され、
上官の企みにより敵の捕虜となり、処刑されるお話。
とにかく民話的素朴さと軽さの中に、
ズシリと思いメッセージのある作品で、
リーデイングと侮れぬほど素晴らしい舞台であった。
そう、魯迅の『阿Q正伝』の面白さを思い出しながら、
オノレは腹を抱え、哀しく笑って観ていたな。
演出は鄭義信。演出としての才の凄さを、
彼はここでもまたオノレに見せつけてくれた。
 参加チケット千円!
これほど中味の濃い千円を使った記憶は久しくない!!
★★★★★!

  小劇場 ・ 楽園
Date: 2007-02-03 (土)
 下北沢に出来た本多グループの小劇場、
《楽園》のオープニング公演、
パニック・シアター『ラスト・シーン』の舞台を観にいく。
 引退した俳優たち専門の老人ホームを描いた英国の芝居。
確か去年、木山事務所で同じような芝居を観たな…。
戯曲としてはそちらの方がシッカリしとった。
★★★…。

 《楽園》は芝居をするに、
作品をしっかり検討して上演せんと、
なかなか苦労しそうな小劇場。
渋谷にあった《ジャンジャン》を意識してつくったらしいが、
大人数の芝居とか、役者の出入りの激しい芝居とかをするには、
チト過酷な空間のような気がする。
 ただし小屋代は安いぞ!