夜、調布市グリーンホールで、劇団昴の公演、 「台湾の大地を潤した男」を観劇。 昴の公演を観るのは、三百人劇場がなくなって以来はじめて。 グリーンホールはおよそ1,300人も入る大ホール。 今夜のみ、たった一回、しかも調布の公演で、 どんな客が来るのかと思ったが、けっこう動員されとった。 が、開演中、芝居はそっちのけで、 携帯電話のメールを打ち込んでいるヤツ、 (それも開演から終演まで!) 電源を切らず、呼出音を鳴らすヤツ、 芝居を観る常識のカケラもない、そんなヤツらがチラホラいた。 おおよその公演においては、 開演前、予めお客に注意を促すのだが、 昨夜の公演では、なぜそれがなされなかったのであろうか? 例え動員された客や、招待客が多くても、 オノレのようにチケット代をチャンと払って、 決して近くない調布まで観に来る客もいるのである。 主催者はできうる万全の配慮を怠ってはならん。 芝居は関東大震災の頃、金沢出身の土木技師が、 台湾にダムをつくるため大活躍したお話。 つまりその金沢・台湾関係の協力で実現した公演のようだ。 で、不埒な携帯客はさておき、久し振りにこんな大ホールで、 何となくナツカシイ「新劇」を観たという感じで、 正直、オノレにはチト辛い舞台であった。 役者さんたちは一生懸命ガンバッテ演技しているのだが、 どうにもドラマとしての戯曲が弱い。 役者がカバーするにもしきれんほど説明的なのである。 それでもオノレと懇意な役者、主演の金子由之チャンは、 めげずにチャンと熱演し、精一杯の演技をしとった。 この彼の熱演と、出演者たちのガンバリがなかったら、 二時間十五分、たぶんオソロシイことになっていた。 調布駅前の様変わりに目を円くしながら、 吉祥寺行きのバスに飛び乗ったんだが、 北から南に抜ける地下通路だけは昔のまんまで、 古の胡散臭いニオイが漂っていた…。
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