夏祭りの季節。 オノレは子供の頃から、「祭り」にそれほどの興味はない。 ガキのくせに、騒々しいのやら、人混みの中にいるのやらが、 なぜか妙に好きではなかった。 これは親から貰える祭りのための小遣いが、 雀の涙であったせいかもしれん。 しかし死ぬまでに、一度この目で見ておきたい祭りもある。 初秋の富山・八尾で行われる、「おわら風の盆」。 オノレは映像でしか知らんが、 あの哀切に満ちて情緒ある「静かな祭り」の雰囲気は、 例えこの鈍い感性でも、何かゾクッとゆさぶられそうな気がする。 もっとも今や30万人もの観光客が押し寄せるというから、 その人混みの中に沈没しているだけで、 情緒に浸る以前に疲れっちまうかもしれんなあ…。
《三千世界の松の木ア〜 枯れてもあんたと添わなきゃ 娑婆に出た甲斐がない…》
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