十六年前にオノレの独演、「ごびらっふの死」を、 某地に招かれ上演した舞台を収録したビデオがあり、 DVDにコピーして保存するため久し振りに見るハメになった。 四十代半ばのオノレの独り舞台…。 いやもう、ガックリ…。その酷すぎる演技ったら! 実に己は、こんなに独りよがりで、自己陶酔だけの舞台を、 アチコチ、いろいろなお客様にお観せしていたのだ…。 ま、今さら悔やんでもせんないのだが、 見ているうちに冷や汗は出てくるわ、情けなさがつのるわで、 もう保存せずに破棄しようと思った。 が、まてまて…。どうしようもない演技を理解するに、 これほど素晴らしいお手本もあるまい…と考え、思いとどまった。 「ごびらっふの死」は、十年前に上演したのが最後である。 オノレは、ビデオに残された、この最悪のオノレの演技を見て、 改めてこの独演を創りなおし、いつか再挑戦したいと思った。 でなければ、オノレもいずれ逝くあの世で、 原作者の詩人・草野心平さんに顔向けできん!
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