オノレ日記帳

2008年5月の記録



  今日は名古屋
Date: 2008-05-27 (火)
 真夜中二時半頃、膀胱が満杯となり目が覚めた。
妙な夢を見ていたのだが、トイレに立って再び布団にもぐり、
さて、どんな夢だったのか思い出そうとしたら、
すっかり忘れていて、どうにも思い出せない。
目覚めてトイレに立つまでの状況を、
必死に遡って考えてみても甦らん。
しかし滅多に見ない、妙な夢であったことだけは憶えているから、
それがいかに妙であったのか、具体的に思いださずには、
何かひどく「もったいない」気がしてしょうがない。
あげく、「思い出す」ため、三十分ほども布団で悩み、
けっきょく思いだせずにガッカリしていたら、
今度は再び寝付くまでに、また三十分くらい悶えちまった。
人間てえ動物は…、いやいや、オノレってえ男は、
ホンマに「しゃあない」ヤッチャ!
 今日はこれから名古屋へ行き、
中京テレビのドキュメンタリーナレーションの収録。
老人や医師を取材し、「在宅医療」問題を扱った内容。
なかなか重いテーマなのであるが、
あまり重くならんように、やさしく「語り」たい。

  大災害!
Date: 2008-05-23 (金)
 ミャンマーのサイクロンによる大洪水。中国・四川省の大地震。
オノレが芝居の稽古をし、本番の舞台を上演している間に、
アジアではとんでもない天災により、何十万の命が喪われた。
幸いにもかような不幸に巻きこまれなかった我々だが、
だからといって、その幸運をとても喜ぶことはできない。
で、かような大災害が起るたび、
「命とは?」「暮らしとは?」「家族とは?」「幸せとは?」、
というような自問自答の迷路に嵌るオノレなのだが、 
けっきょくスッキリした答えを導き出すことはできん。
しかし、オノレにも分る答えが一つある。
それはかような大災害においてさえ、
もっとも悲惨で、多大な犠牲を被るのは、
老人や子供であり、社会的弱者の人々であり、
国や地域を支配する指導者たちではない…てえことだ。

  終わった…!
Date: 2008-05-19 (月)
 終わった…!
「おたまじゃくしはかえるのこ」の千秋楽の舞台は、
昨日の日曜日、無事その幕を閉じた。
多くの苦労と困難があったが、多くの収穫と悦びもあった。
「打上」の宴席も和気藹々。
今回の座組が解散する寂しさをこえて、
心から互いの「ケントウ」を慰労する愉しい一時であった。
この公演のお客さんでもあるオノレの友人も、
十人ほど参加してくれ、さらに宴席を盛り上げてくれた。
 今はこの公演に全力で取組んでくれた全役者・スタッフと、
千人を超えたお客様すべてに心から感謝し、
しばらく「ボーッ」としていたい!

  ジレンマ
Date: 2008-05-18 (日)
 今日は、「おたまじゃくしはかえるのこ」の千秋楽。
十日間・全16ステージの公演は長いようで短い。
本音を言えば、苦労して創りあげた一つの芝居を、
東京公演だけではなく、あたこち全国巡演したいのである。
が、夫婦二人で制作する《独歩》においては、
それはかなわぬ夢のユメ…。
 今回の公演は、観客千人を目標においた。
おかげさまで、今日の千秋楽でその数はクリアできそう。
しかし、これだけの数のお客様に観てもらっても、
その収支は大幅な赤字という厳しい現実。
我々のごとき弱小制作グループは、
いかにガンバッテも、東京のみの公演では採算がとれず、
収支をトントンにするのさえ難しい。
一個人で、「ゼニ」より尊い、「創造」という価値を得るには、
ゼニなしでは得られん…という、歯がゆいジレンマ。
このジレンマを解消できる魔法のような策は…、今のところない!
 さて、泣き言もほどほどにして、
千秋楽の舞台に立つため、「発進!」。

  明日は千秋楽 !
Date: 2008-05-17 (土)
 本日、「おたまじゃくしはかえるのこ」、
土曜のマチネー公演も無事終了。
超満席の客席であったが、事前の準備を入念にしたおかげで、
客入れや客席の整理に混乱はなかった。
明日も超満席の千秋楽。
最後の力を振り絞って、「打上」の美味い酒を飲めるよう、
有終の美を飾りたい!

  土日は超満席
Date: 2008-05-16 (金)
 今週の月曜から金曜まで五日間続いた、
独歩プロデュース「おたまじやくしはかえるのこ」、
平日二回公演も今日で終わり。
役者・スタッフの皆さんに疲れなきはずもないが、
オノレに泣き言を吐く者は一人もいない。
 明日、明後日の土日、超満席になりそうなのがチト不安。
客席に混乱なきよう、制作として万全を期したい!

  変容する空間
Date: 2008-05-15 (木)
 「おたまじゃくしはかえるのこ」の舞台も、
残すところあと四日・六回の公演で幕を閉じる。
 昨日の二回公演では、昼と夜で客席の雰囲気がまるでちがった。
昼は俳優や演劇関係者が非常に多く、(たぶん六割くらい)
クスクスという笑いがすこしあったのみで、
客席はおよそ「し〜ん」と、静まりかえっていた。
で、夜のお客は、舞台のやりとりに敏感に反応し、
笑うべきところで大いに笑ってくださった。
しかし、うければよい舞台だというわけではない。
静謐な客席が舞台の良し悪しを決めるわけでもない。
つまるところ、劇場という空間に於いては、
一つの芝居を、毎日繰り返し上演しても、
まったく同じ役者の演技と、
同じ客席の反応を繰り返すことは、まずないということだ。
 お客様の顔ぶれは日々変わり、その反応も毎回異なる。
例えば初日を観た方が、また千秋楽を観たとすれば、
初日とはまるで異なる印象を、
千秋楽の舞台から感じとることになるだろう。
もちろん初日には初日ならではの舞台のよさがある。
で、回を重ねるごと、役者が妙に自信とゆとりを持ちはじめ、
それによって損なわれるマイナスの表現もでてくる。
かように毎回異なる舞台と客席との息づかいは、
当然、お客様の芝居の評価にも微妙な影響をあたえるだろう。
 まさに劇場という空間は、日々変容する「生きもの」であり、
ゆえに「たのしく、おそろしい」空間なのだ!

  アクシデント
Date: 2008-05-13 (火)
 「おたまじゃくしはかえるのこ」の公演も、
はや今日で、五日目の中日。
 実は日曜日の公演、
メインの役をしている女優さんの一人が、
開演一時間ほど前に倒れるという、大アクシデントがあった。
彼女は救急車で運ばれ、急遽公演は中止。
オノレは翌日からの代役を決め、
その日はみんなで夜九時まで、代役での稽古をした。
しかし幸いにも、倒れた彼女はその晩になって元気を回復。
昨日の昼夜公演を無事全うしてくれたのである。
 彼女が倒れたのは、
たぶん稽古から積み重なってしまった疲労による、一過性の症状だったようだ。
プロデューサーのオノレもホッと一安心。
長く芝居をしていると、いろいろなことに遭遇するわい。
 さて、「おたまじゃくしはかえるのこ」の舞台に対するお客様の評価は、
「辛口」のお客様もそれなりいらっしゃる。
が、過去の独歩プロデュース公演と比べて、決して低いものではない!
我々役者は、残された六日間、
さらによりよい舞台を求めて、それぞれの役に生きたい!!

  初日の舞台
Date: 2008-05-10 (土)
 独歩プロデュース公演、
「おたまじゃくしはかえるのこ」の初日が終わった。
二三日前まではチト心配する初日の前売り状況であったが、
予約なしの当日客が多く、
けっきょく昼夜合わせて百三十人ものお客様が観てくれた。
が、本日・土曜日(来週の土曜日も)は、すでに予約で満席。
昨日のように当日客が多いと、これはまことにオソロシイ。
もちろん当日券はそれなり用意しているが、多くはない…。
 さて、肝心の初日の舞台。
昨日のお客様の評判は総じてよい。
オノレは、今回は厳しい感想を多くいただくやもしれんと、
ここまで創りあげてきた我々の創造成果に、
正直不安を感じる部分がいろいろあった。
それほど「おたまじゃくしはかえるのこ」は、
面白い舞台として創りあげるに難しく、
なかなか手強い作品だったのである。
が、昨日のお客様のよい評価がホンモノだとすれば、
稽古過程で苦しみ苦しみぬいた出演者の日々も、
「ウルサイ」ベテラン役者相手に粘り強く「タタカッタ」、
若い女流演出家・須藤黄英の苦闘の日々も報われる。
 オノレにもっとも意外だった客席の反応は、
最後に「すすり泣いてる」お客様が多かったこと。
 別役作品は奥が深い!

  初日 !
Date: 2008-05-09 (金)
 いよいよ、独歩プロデュース公演、
「おたまじゃくしはかえるのこ」の初日!
泣いても笑っても、今日の午後三時には本番の舞台に立つ。
そして貴重な時間を割いて観てくださるお客様に、
公演参加者全員と喧々諤々創り上げてきた我々なりの世界を、
邪心を棄てて表現せにゃならん。
お客様がその世界をどう感じ、どう評価してくださるか、
「まな板の上の鯉」の心境である。

  神頼み !
Date: 2008-05-07 (水)
《芝居の神サマへ》

 明後日初日の「おたまじゃくしはかえるのこ」で、
オノレは〈将軍〉と呼ばれる男の役を演じます。
一見、役のつかみとりがやさしいようで、
いざ取組んでみるとなかなか役創りに骨の折れる手強い役です。
明日、ゲネプロというこの段階でも、
まだその「ツメ」に悩んでいます。
役を「カタチ」だけで類型的に表現したくない。
が、その役の適確な「容」はあるはずで、
それを「カタチ」で演じず、
生きた役の「容」として客席に届けたい。
そこのところの核心が、今ひとつもてないのです。
 初日の舞台まで、もう時間はありません。
これまで稽古で積み上げてきたオノレの役創りに、
それなりの自信も手応えもあるのですが、
残された一日半で、
さらにゆるぎない表現の核心をもてるよう、
日頃「神頼み」しないオノレに、
チトその「チカラ」をお与えくだされ!

  稽古打上
Date: 2008-05-06 (火)
 「おたまじゃくしはかえるのこ」は、今日が稽古打上。
明日小屋入り、搬入・仕込で、明後日はゲネプロ。
そしていよいよ九日の初日を迎える。
ここまできたら、過去の稽古で一つ一つ深めてきた創造を、
自信をもって大胆に、愉しく表現するっきゃない。
 初日の客足が悪くチト心配。
しかし客席が埋まる埋まらぬに関わらず、
観終わったお客様から、よい拍手をいただけるよう、
独歩ならではの、味の濃い舞台をお観せしたい!

  あと一週間
Date: 2008-05-02 (金)
 あれよあれよともう五月。
独歩プロデュース公演、「おたまじゃくしはかえるのこ」の初日は一週間後。
やや奇妙で、チトおかしく、何か恐ろしい舞台になりそうな気がする。
オノレもオノレの役を、ようやく愉しんで演じられるようになってきた。
残された一週間、関係者全員の総力で、
まだモヤって見えない形象箇所に光を射そう。
お客さまに、「面白かった!」と、心から悦んでいただくために!
 10日(土)のチケットが売り切れた。
おなじく17日(土)も売り切れそうである。
しかし平日のチケットは、まだまだタップリ…あります!