オノレ日記帳

2009年4月の記録



  一つ大きく躓くと
Date: 2009-04-29 (水)
 芝居の稽古が深まれば深まるほど、
「芝居てえのはムツカシイナア…」とオソロシクなる。
 「窓を開ければ港が見える」は、
すでにドラマ全体の姿が、しっかりと見えてきた。
上演時間は、このところ毎回一時間四十分くらいに落ち着いとる。
それぞれの役者も、各々の役のキャラクターを固め、
その表現とリズムを自分のものにしてきて、まことにオモロイ。
しかしながらほんの一瞬の動き、ほんの一台詞の油断で、
動きを間違ったり、台詞が詰ってしまったり、
その調子が外れただけで、全体のリズムは狂い始め、舞台は弛緩し、
実にかったるい流れの展開になってしまうのである。
 花の舞台のその上で、誰か一人でも大きく躓くと、
役者全員を待ちかまえているのは、危ない奈落の底である…!

  ダイコンに秘策はない!
Date: 2009-04-26 (日)
 芝居の稽古を積み重ねてきても、
なかなか上手く表現できなかったり、
相手役としっくり噛合わんかったり、
動きがぎこちなく、無駄な身振り手振りをしてしまったり、
目が宙を泳いで空ろだったりする箇所は多い。
それはもちろんそうなる要因が役者自身にあるからだが、
演出や仲間の助けによって克服するにも限界がある。
やはり最後は自身で克服するより仕方ないのだ。
いずれにせよ、稽古をしている役者にとって、
かような箇所で曖昧に演技するのはまことに気持ち悪い。
 なぜそうなってしまうのであろうか…。
ま、ごくあたりまえの答えでモウシワケないが、
その場のシチュエーションをキチンと掴んでいなかったり、
台詞の理解不足だったり、
台詞自体が頭に入っていないような情況によることが多い。
 さて、オノレのごときダイコンは、
この気持ち悪さにちょくちょく遭遇するわけでありまして、
如何なる策を弄してこいつを克服しているか、その答えは…?
〈その場の状況、台詞の意味をより深く理解する。〉
〈相手役と自分の台詞をしっかり頭に入れる。〉
〈あきずに繰り返し稽古を重ねる。〉他にない…。
ジツニ ワカリキッタ コタエデ スンマッセン!
 とにもかくにも、ヒマさえあれば忍耐強く稽古を繰り返す…。
さすれば、気持ち悪くならない表現はいずれ見つかり、
思いもよらぬオモロイ演技の発見もあるかもしれない。
ダイコンがすこしはまともに上手くなるに、
魔法のような〈秘策〉はないとオノレはアキラメ、
正しいダイコン料理方を発見するため、いざ、今日も稽古場へ!

  ゴールデンウイーク
Date: 2009-04-25 (土)
 今日からゴールデンウイーク。
その初日は、不安な日本経済を暗示しているかのように強い雨。
オノレは芝居の稽古と本番までの準備に明け暮れる毎日。
連休でのんびりなんてえ日は当分来ない。
 もっともこの不景気。
「黄金週間」なんぞというネームと、
さみしい財布の中身との落差にしらけている庶民はごまんといる。
それでもテレビに映る国会議員の先生方が、
何となくのんきな太平楽に見えるのはオノレだけか?
あの緊張感のカケラもない、弛緩した多くのお顔を見ていると、
ホンマ、ニホンの将来にゼツボウしてくる…!

  いよいよ追い込み
Date: 2009-04-24 (金)
 独歩5月公演「窓を開ければ港が見える」の稽古もいよいよ追い込み。
初日まではまだ二週間あるが、実質稽古日数は今日を入れてあと九日。
もちろん舞台の全体像は、ハッキリ輪郭が見えてきたし、
出演者の役の形象も日ごと深まっとる。
しかし初日までに到達したいこの作品の極みに到達するには、
出演者もスタッフもさらなる努力の上に努力を重ねにゃならん。
 今日からの稽古では、チト気を許すと間延びし、
まだまだ温い役者同士のやりとりに、特に厳しく取組みたい。
 演出としては、客が面白おかしく観ているうちに、
アッという間に終わっている…、
そんな一時間四十分前後の舞台にしたいなあ!

  声優のオノレ
Date: 2009-04-22 (水)
 オノレにとって「声優」という仕事は、
表現者としての自分を鍛えるためにも、
独歩で芝居の公演を続けるためにも、
いわば樹木の根っこのような存在である。
オノレはすでに人生の半分以上の日々、
この生業を基本にして生きてきた。
であるからして、この業界で一緒に仕事をしている多くの仲間、
なかでもこの扱いにくそうな、(実はそんなことはない…。)
一クセ・二クセもありそうな、(チットはあるかもしれん…。)
かような男を、未だ懲りずに起用してくださる制作関係の方々には、
ただただ深い感謝の心あるのみで、まず足を向けて寝られん。
(毎晩小平の地で、北に足を向けて寝とります。)
 そして何より、少なからぬ、(決して多くはナイダロウ…。)
声優としての自分の仕事を応援して下さる、
心優しい視聴者の方々あってこそ、今のオノレがあるのだ。
かように陰日なた応援してくださる方々のためにも、
声優・麦人が、最近どない番組に出演しとるか、
たまには報告させていただくことにする。
(実は最近、「オノレ日記帳は、声優としての情報や記述がほとんどない」と、
声優を目指す知り合いの若者に言われちまった…。)

アニメ    「クロスゲーム」テレビ東京。
       (毎週日曜日 午前10:00〜放送)。
       オノレは大久保という爺さん役で第8話から登場。

洋画シリーズ 「CSI科学捜査班」WOWOW・テレビ東京・AXNで放送中。
       オノレはブラスという警部役で現在第8シーズンの日本語版を収録中。

       「LOST」AXNで放映中。
       オノレの役はロック。5月から第5シーズンの日本語版収録に入る。

        以上、声優・麦人の、主な近況活動報告でありました。

  若きスタッフ
Date: 2009-04-21 (火)
 オノレが声優として、
メディァフォースというプロダクションに所属以後、
独歩の公演には、この事務所の若き声優さんたちが、
毎回必ずスタッフとして参加、大いにガンバットル。
 彼らは、定刻通りに稽古が開始できるよう、
稽古場に早めに入ってセットの準備をしたり、
本番で使う小道具の意匠を凝らしたり、
プロンプをしたり、転換をしたり、
チラシの折込に行ってもらったりと、まさに八面六臂の大活躍!
今や独歩の芝居は彼らなしでは考えられん。
正直、雀の涙の報酬。
それでも真摯に、精一杯の働きをする彼らを見てると、
声優として、あるいは役者として、
「いずれ大きな存在になれ!」と、
オノレは心底から叫びたくなるのだ。
 さて、彼ら若者の大きな役割の一つに代役がある。
オノレは毎公演、スタッフで参加した若い声優・役者に、
出演する役の一つを、本役をするつもりで、
いつでも代役できるよう準備してくれとお願いしている。
本役の役者が事情により稽古を欠席したり、
遅刻・早退せざる得ない状況があると、
代役を立てずに稽古をするのはチト難しいのだ。
そしてかような状況はしばしば生まれる。
(結局、なかなか代役する機会の無い人もいて、モウシワケナイ)
 そして代役の彼らは、本役より台詞や動きを覚えていたり、
本役が見たら腰を抜かすようなオモロイ演技を、
たまに見せてくれたりもする。
 オノレは今日はじめて、
いかんともなしがたい事情により、稽古をお休みさせていただく。
代役の西村君、よろしくお願い致します!
(もちろん彼の頭には、ほとんど男1役の台詞と動きが入っとります)

  稽古場の醍醐味
Date: 2009-04-20 (月)
 芝居の稽古に入る前、上演台本を手にしたその日から、
役者は人それぞれのやり方でいろいろ事前の準備をする。
台詞を憶えることはもちろん、
劇作家が作品にこめた世界とメッセージがいかなるものなのか。
その世界で登場人物各々に与えられた役割を考え、
あたえられた自分の役と他の役とが、
どのような関係の中で、夫々何を喋り行動しているのか…等々。
可能な限りのオツムを使って準備し稽古に臨む。
で、そんな精一杯の努力をして稽古に入っても、
やはり一人のオツムだけで構築してきたものは底が浅い。
稽古場で、出演者やスタッフと、
生々しく絡みつつ構築されていく創造とは、
恐ろしくなるほどの隔たりがあったことを思い知る。
でもネ、その隔たりを思い知ることも稽古場の醍醐味。
事前の準備に抜かりがあればあるほど、
この醍醐味を味わう機会が少なくなる…と、
オノレはいつも自戒しながら稽古場に足を向ける。

  胸突き八丁!
Date: 2009-04-18 (土)
 「窓を開ければ港が見える」の稽古は、
いよいよ胸突き八丁の正念場をむかえたというところか…。
昨日の稽古では、初めてオノレの役を代役にしてもらい、
演出サイドの席に座って、
共同演出の伊藤君と共に、ドラマ全体を俯瞰で観た。
 役者として富士山の頂き目指して登っていると、
山全体の姿をとらえるのはなかなか難しいのだ。
 さて、昨日俯瞰で眺めた我々の富士の姿…。
まだまだあちらこちらに雲がかかり、
望む姿にするためには、いっそうの創造的努力が必要だ。
それでも来月八日の本番までには、
観客の期待に応えられる姿になるだろうと…、
オノレはカッテに自信を深めた次第であります!

  そろそろ中盤
Date: 2009-04-13 (月)
 「窓を開ければ港が見える」の稽古も、そろそろ中盤。
チラホラとチケットの申し込みも入りはじめた。
今回は六人の出演者で、12月はたった四人だけの舞台。
出演者の多い少ないは、それなりチケットの売れ行きに影響する。
本当はそこを独歩の制作力で補うべきなのであるが、
正直、その力が余り強いとはいえないので、
ひょっとすると出演者に御迷惑をかけるやもしれん。
もちろん公演の赤字は独歩の責任でチャンと処理する。
が、万一客席ガラガラのが日が続いたりしては、
ガンバッてこの舞台に挑戦してくれた役者さんに申し訳ない。
 チケットの売れ行き具合を見るにつけ、
これからの毎日、オノレの心は千々に乱れ、ソラオソロシイ…!
 皆みなさま、どうかよろしくお願いします!

  公演案内
Date: 2009-04-12 (日)
 一週間ほど前、独歩5月公演の御案内を、
クロネコヤマトのメール便でお客様にお送りした。
しかし毎回お送りする度、必ず何十通かのお客様が転居、
こちらへ空しく返送されてくる。
で、引っ越された多くの方は転居先がわからず、
そのままご縁が切れてしまうこともしばしば。
まことに残念でサビシイ…。
 さてオノレの自宅にも、一年を通して、
いろいろな芝居仲間から様々な公演案内が届く。
たまには一日三通もの案内が届く日もある。
ほとんどは公演チラシと共に、
御本人の丁寧な挨拶文が同封されとって、ほんまに嬉しい!
 ところで多くの方々に公演案内を出すには、
お金も手間もかかるし、それなりの時間もかかる。
そのせいだろうか、近頃携帯電話の一斉メールを使って、
公演のお知らせをくれる方が増えてきた。
しかもそれのみで、改まって封書はこない。
このやり方を全否定する気はないが、実際にはどうだろう?
どうも携帯メールのみでお知らせ頂いても、
「ああ、是非観に行きたい!」という気分に、
オノレの場合ナカナカなれない。
ともかく実際のチラシには必須の、共演者やら、
スタッフやら、劇場地図やらの詳細情報に乏しい。
そして何より、送られた方の温もりを感じにくい。
お客様に是非観ていただきたい、大切な公演案内のはずである。
やはり主催者の公演意図を表したデザインのチラシと、
公演に参加する御本人の意気込みを感じるような…、
そういう挨拶文の入った封書で頂戴できれば…ウレシイ。
 メールだけでも知らせてくれた方にはモウシワケナイが、
オノレはかように思う次第なのであります!

  世論調査
Date: 2009-04-11 (土)
 漢字の読めないボンボンを首相にしたのは政権与党だが、
このお方を首相に選んだ与党議員を国会へ送り込んだのは、我々国民。
最近の世論調査によれば、
ボンボンさんの人気は、ようやくケンキンさんを逆転、
内閣支持率も10%代から20%代に上昇しているとか。
いやいや何とも低レベルで馬鹿馬鹿しいこれらの世論調査結果に、
「ア、ソウ!」と、オノレはただただ慨嘆。
 その国の政治も社会も経済も、
国民の意識がチャンと変わらぬ限り変わらないのだと、
政治家を選ぶ国民一人ひとりが肝に銘じてくれんかなあ…。
 アナタもオノレも、しばし花見の酒に酔いしれて櫻散る。

  稽古後の酒席
Date: 2009-04-10 (金)
 右肩〈石灰沈着性腱板炎〉もほぼ全快し、
肉体的にはようやく元気をとりもどした。
で、昨夜は稽古終了後、
共演の役者さんやスタッフと一杯…のつもりが、
二杯になり、三杯、四杯となって…、チト飲みすぎた。
でもネ、飲んでガヤガヤ好き勝手に喋る稽古後の酒席も、
なかなかタメになるしバカにできん。
○○チャンや○○クンの、
稽古場では見せぬ一面を垣間見たり、
思わぬ創造的ヒラメキとか、
その日の稽古についての感想がポンポン出たりとか…。
 悪酔いし、いさかいの場になったりしては最悪だが、
仲間たちと、飲んで和気藹々盛り上がり、大いに芝居を語る…。
そんな稽古後の酒席は、オノレにとって稽古より愉しい…否。
稽古に次いで愉しく、明日への鋭気を養う時間のような気もする!

  劇作家への信頼
Date: 2009-04-08 (水)
 役者は、秀でた劇作家の紡いだ言葉、つまり台詞や、
それによって生ずるドラマのシチュエーションや流れを、
深く信頼し表現しているはずなんだが、
実際にそう表現するのは容易いことではない。
オノレもそうであるが、ともすると台詞のもつ意図を考え、
その意図を正しく客に伝えようと説明的表現になりすぎ、
かえって正しく伝わらなくなったり、
いかにもあざといもの言いになってしまったりする。
一つ一つの台詞を上塗りしすぎて、大局を見失なってしまうのだ。
 有能な劇作家の紡いだ言葉を語るに、
粉飾した説明的演技はいらないのだと肝に銘じたい!

  儚い…。
Date: 2009-04-07 (火)
胸反らし咲きほこる櫻あり
満開の櫻の陰の独り言

 とまあ、昨日満開になった櫻の遊歩道を歩きつつ二句認めた。
さて、今朝みた夢を記そうと思ったが、起抜けは憶えとったのに、
朝風呂に入って一服したらすっかり忘却。
オノレの夢にしては珍しく、
とてつもなく美しい夢だったような気がする。
 櫻も夢も、やはり儚い…。

  「窓を開ければ港が見える」の舞台美術
Date: 2009-04-06 (月)
 別役実作品の多くは、舞台美術の指定が実にシンプルだ。
電信柱一本だけなんてえのも多く、制作者は予算的にかなりタスカル。
もちろん、かような指定で創作する劇作家の意図には、
オツムの弱いオノレのような役者を悩ます巧みな深謀遠慮があり、
ただプロデューサーのフトコロを救ってやろうということではない。
(そこまで配慮してくれているような気もするが…。)
 さて独歩五月公演「窓を開ければ港が見える」の場合、
別役作品の中では舞台美術の指定がやや多い。
といっても転換で舞台を一変させるほど大がかりなものではないが。
今回、その舞台美術をイラストレーターの楢喜八さんが担当する。
楢さんは三年前の独歩公演「はるなつあきふゆ」で、
何枚もの素晴らしい書割の絵を描いてくれ、
その舞台成果に大きな力を発揮してくれた。
楢さんの澱みない、寓話的かつユーモアに溢れた絵が、
個性的役者たちの演技といかに絡んで一体化し、
お客の想像力を喚起させてくれるか…、大いに愉しみなオノレである。

  花の影…。
Date: 2009-04-05 (日)
 小林一茶は中風に倒れ六十五歳で生涯を終えた。
オノレもこの八月、その歳になる。
一茶の三人目の妻は、彼が死んだ翌年の春に女の子を生んでいる。
うちのヤマノカミはオノレにとって四人目の妻であるが、
来年もそれ以後も子を孕むことはゼッタイナイ。

花の影寝まじ未来が恐ろしき

 金子兜太さんはこの一茶の句を、遊民の自分を自虐した句で、
〈死にたくない。花がきれいでも、
花陰がどんなにいい気持ちでも、そこには寝ませんよ。
うっかり寝ると、その先が恐ろしいんだよ。罰当たりの身体だ、
そのまま死んでしまうかもしれない。〉と解説している。
この句には、
「耕ずして喰ひ、織ずして着る体たらく、
今まで罰のあたらぬもふしぎ也。」という前書きがある。
 役者のオノレも、余り世のため働いてきたとは思えん。
やはり遊民にちかい人生を過ごしてきたような気がする。
ただし一茶のような自虐はないので、名句は創れん。

  手強い作品であるが…。
Date: 2009-04-03 (金)
 スタートしたばかりではあるが、
「窓を開ければ港が見える」の稽古は、
これまでの独歩公演の稽古に負けず劣らず愉しい。
共演の役者さんたちのキャラがそれぞれにかなり濃く、
一緒に稽古しながら面白おかしくてつい吹き出す!
オノレも精一杯色濃いキャラで男1という役を創りたいが、
面白おかしいことばかりにのめりこんでも創造の道を誤まる。
そのサジ加減は微妙であり、
一つ間違うとせっかくの面白おかしさも、
芝居をぶち壊す三流のドタバタギャグになってしまう。
 内容的には、理解するのにかなり手強い作品。
可能な限り具象的な創造を皆で追求し、
結果として、お客さんに笑ってもらえる舞台にしたい!

  お久し振りです。
Date: 2009-04-01 (水)
 お久し振りです。
突如「オノレ日記帳」に書き込む気となり、
うやうやしくパソコンの前に座っとる。
キーボードを叩く指が心なしか緊張して震えた…、
なんてことはございませんが。
 ああ…4月だ。
小平辺りの櫻は、今週末あたり満開か?
ところが今のオノレは花見どころではない。
独歩5月公演『窓を開ければ港が見える』の稽古と、
老化現象によるらしい肉体的障害との闘いで、
このところ四苦八苦しとる毎日なのだ。
 一週間ほど前、右肩付け根から二の腕にかけて猛烈に痛くなり、
右手がほとんど使えなくなっちまった。
慌てて整形外科へ駆けつけ、レントゲンを撮って診てもらった結果、
右肩の「石灰沈着性腱板炎」てな病名。
かいつまんで言えば、
右肩に、いつのまにやら石灰の塊が「建築」され、
レントゲン写真を見ると、それは一円玉くらいの大きさ。
こいつが固まっているぶんには大丈夫らしいのだが、
一部砕けたり欠けたりするとダメで、
腱や靭帯を傷つけ猛烈な痛みとなる。
で、なぜかような破目になったかといえば、
オノレの肉体の「老化現象」によるものであると、
お医者サマは事も無げにおっしゃる。
治療として、ステロイド系の薬を肩に注射。
この一週間、朝晩痛み止めの薬を服用し続け、
昨日あたりから、ようやく痛みが軽くなり、
右手も相当動かせるようになってきた。
しかしこの石灰の塊、手術で除去は出来ないという。
つまりこの先オノレは、「砕けるな、欠けるな」と願いつつ、
死ぬまでこの《オ石灰ヤロウ》を右肩にのせ、
ヒヤヒヤ気にして生きにゃあならん。
 やれやれ、どえらいヤツに「愛され」てしまったわい!