オノレ日記帳

2009年5月の記録



  二度寝の夢…
Date: 2009-05-27 (水)
 朝食をとって再び眠くなり、30分ほどまた布団にもぐる。
久し振りにヘンテコリンな夢…。
 飯田橋駅で二人の役者仲間と電車を待っている。
空を見上げると、何と低空にスペースシャトルが…。
シャトルはコントロールを失い、墜落寸前のように見える。
ついに墜落したかに見えた瞬間、建物の陰に隠れてしまった。
大騒ぎの人々。
オノレたち三人も、墜落を確かめようと改札から外へ出る。
しかしシャトルが墜落した様子は跡形もない。
ただ人が右往左往と密集、
けっきょくその混雑の中で、我々三人はバラバラになってしまった。
 再び駅に戻るが二人は見つからん。
携帯で一人に連絡をとると、あらま、彼はすでに代々木にいて、
「仕事でこれからスタジオに入る!」と言って電話を切った。
 オノレは仕方なく入線してきた中央線に乗る。
(飯田橋なのに、なぜか中央線の快速)
ひどく空いてる。
両隣の車両は満員のようなのだが、この車両はガラガラ。
首を傾げつつ、「やれ、ありがたや」と、誰も座っていない座席に座る。
そのとたんお尻にヌルッと厭な感触…。
すぐさま立って座席を見たら、座席一面「嘔吐」の川。
もちろん床のアチコチにも水溜りのように…。
 二度寝するんじゃなかったわい!

  名古屋にて
Date: 2009-05-24 (日)
 独歩の五月公演が終わって一週間。
しばらく何も考えず、ボーッとしていたいところであったが、
ありがたきことに、千秋楽翌日から声優としての仕事が忙しく続き、
気を緩めて風邪をひくヒマもない。
 今日も中京テレビのドキュメンタリー番組のナレーションで名古屋を往復。
で、この機会を利用し、
独歩12月公演「海ゆかば水漬く屍」に出演する、
劇団・昴の北川勝博君と名古屋駅で久し振りに会って昼飯を食った。
 彼は名古屋で一人暮らしのお母さんが骨粗しょう症となり、
一人にしておくのが心配で、
去年、東京から名古屋の実家へと引っ越した。
現在、吹替えの仕事や用事のあるときは、
深夜バスで東京⇔名古屋を往復しているそうな。
しかし12月の独歩の舞台は、稽古から本番の終わる期間、
ウィークリーマンションを借りてでも参加するという。
 芝居に対する北川君の、並々ならぬ意欲と自己犠牲に報いるためにも、
これまでの独歩公演に勝るとも劣らぬ舞台をオノレは創造したい!!

  千秋楽 !
Date: 2009-05-17 (日)
 独歩プロデュース公演、
「窓を開ければ港が見える」は、いよいよ今日で千秋楽。
観客動員数はチト厳しい数字になってしまったが、
舞台そのものの評価はまことに高く、
オノレは大変貴重な多くのものを得て悔いはない。
本日最後の一回を、初心に帰り、より無心に演じきろう。
 夜は打上。
この舞台に関わった全てのスタッフ、役者と大いに飲んで、
「窓を開ければ港が見える」、最後の締めくくりをしたい。
 今回の舞台をごらん頂いた全ての方々に、
心からの御礼と感謝の気持ちをこめて、「ありがとう!」。

  晴れたり曇ったり…。
Date: 2009-05-13 (水)
 過去の独歩プロデュース公演に出演した役者やスタッフが、
毎日のように一人か二人、今回の舞台を観にきてくれる。
彼らは一つの舞台を創造するため、互いに努力し、タタカッタ仲間である。
稽古場で意見がぶつかり、激しい議論になることもしばしば。
そういう修羅場を共にくぐった連中であるから、
独歩の舞台の出来上がりに対して、忌憚のない、率直な意見を言ってくれる。
で、彼らの今回の舞台に対する評価は大変高く、オノレはホッとしている。
それでも一人、オノレとたいへん仲の良い役者から、
まことに厳しい辛口の評価を頂戴した。
それはそれで、オノレの今後の糧として、大切に記憶しておきたい。
 晴れたり曇ったり…。
天気のようにままにならぬのも、舞台の面白さであり、苦しさである。

  もう一つのドキュメント・ドラマ
Date: 2009-05-12 (火)
 「窓を開ければ港が見える」の公演も、明日で中日。
独歩の制作力で十日間・13回の公演はタイヘンで、
正直、今回の観客動員は余り芳しくない。
しかしオノレは一回でも多く場数を踏みたい役者なのであります。
半年もの準備をかけて、二ヶ月に亘る稽古を積み重ね、
初日・中日・千秋楽を三日で消化してしまうのでは余りに寂しい。
で、ついついムリをし、制作的には墓穴を掘る破目になる。
 ま、森光子さんの「放浪記」2000回公演なんてえのは、
オノレにとっては夢の夢、まさに夢の中で見る世界。
とはいえ、マイナー中のマイナーである独歩公演でも、
長〜い十日間の本番は、役者に銭金ではない多くの糧を、
それなりにあたえてくれる…と、オノレは確信しとる。
 ホンマ、毎回の舞台に発見があり、ミスがあり、反省や悦びがある。
まさに舞台は生物。一回一回、舞台の姿は変貌していく。
その日観劇したお客様の率直な感想により、
オノレの創造表現の甘さや、解釈ミスを思い知ったりもする。
 役者やスタッフは、初日から千秋楽までの十日間、
上演している舞台のドラマの裏で、
もう一つの、生々しいドキュメント・ドラマを体験しているのであります !

  初日終了!
Date: 2009-05-09 (土)
 「窓を開ければ港が見える」の初日は、昨日無事終了。
手前味噌ではなく、初日を観た方の評価はまことに高い。
 終演後、いつも率直な感想を言ってくれる芝居仲間や友人が、
今回の独歩の舞台を「オモシロカッタ」と語りつつ、
美味そうに酒を飲んでくれる姿を見てホッとした。
で、オノレもまた今日の鋭気を養うため、
しっかり飲んで、心地良く酔ったのであります!

  初日!
Date: 2009-05-08 (金)
 独歩プロデュース公演「窓を開ければ港が見える」の初日である。
昨日から今日にかけて、オノレ自身は平常心でいたつもりであるが、
やはり意識の何処かに、いよいよ初日を迎える昂ぶりがあるのだろう。
昨夜は十二時前に床に入ったが、今朝は五時前に目覚めてしまい、
一ッ風呂浴びて、この「オノレ日記帳」を入力している。
 昨日のゲネプロはおよそ一時間三十三分の上演時間で、
これまでの稽古より、さらに二三分短くなった。
美術・照明・音響・衣裳、もろもろすべてがそろった劇場に立って、
役者のテンションや緊張感は、よい意味でガラリと変わった。
ただただテンポの早いだけの、流れた芝居になってはイカン。
しかし昨夜のゲネでは、それぞれの役の個性が生き生きと絡み合い、
緩みのないリズムで、メリハリのある舞台になっていたと確信している。
 チト空席の目立つ初日の客席になりそうだが、
めげずに、独歩らしい気概に満ちた舞台をお客様にお観せしたい!

  ゲネプロ
Date: 2009-05-07 (木)
 今日はゲネプロ。
昨日、舞台の搬入・仕込みも無事終わり、
スタッフ全員の力によって、
オノレの予想を上回る面白い舞台空間になった。
なかでも楢喜八さんの書割美術は圧巻で、
観る人に大きなインパクトをあたえるだろう。
役者もこの美術に負けぬ演技で、お客様の期待に応えにゃならん。
今日のゲネプロはその試金石である!

  裏方さん
Date: 2009-05-06 (水)
 「窓を開ければ港が見える」の稽古は、昨日無事に終了。
しかし昨日から今日と雨が続き、
稽古場搬出や今日の劇場搬入をするスタッフにはまことに気の毒。
彼らの力と汗によって、我々役者の立つ舞台は支えられている。
 オノレも若い頃いた劇団で、ずいぶん裏方として舞台についた。
実際には演技のエも理解しとらん、小生意気な若僧であったが、
自身はすでに一端の役者気取りであったから、
役者ではなく裏方として起用され、
長期に亘って拘束される立場に不満タラタラ。
で、そんな裏方で身につけたのは、
バレずに怠けることや手抜きすることばかり。
実に鼻持ちならん、フザケタヤツだったような気がするなあ…。
 独歩の舞台に参加している裏方スタッフの姿を見てると、
オノレの若き頃を今さらハンセイするほど、皆真摯で、
心優しく、精一杯のよい仕事をしてくれとります!
 ご苦労様!

  稽古打上!
Date: 2009-05-05 (火)
 「窓を開ければ港が見える」も、今日はついに稽古打上!
明日は劇場で搬入・仕込み。
照明・音響などを中心に「当り稽古」をし、七日はゲネプロ。
そしていよいよ八日の初日を迎える。
 準備期間をふくめれば、ずいぶん長い道のりであったが、
ここまでくれば、もうジタバタすることはない。
みんなで創りあげてきた世界を、自信をもって舞台で表現するのみ。
 自分で言うのもおこがましいが、
オノレの心は、これまでのどの舞台にもまして無心である!

  まだまだ…!
Date: 2009-05-02 (土)
 「窓を開ければ港が見える」の初日まで一週間。
こんな差し迫った段階で、こんな日記を書くと、
「おいおい大丈夫なんかい?」と、
観る予定のお客様にチケットをキャンセルされそうだが、
オノレの役創りは、いよいよここからが〈瀬戸際〉。
もちろん今日まで積み上げてきた稽古で、
オノレの役の容も、それなりに“定着”はしてきた。
しかしこの定着の上で胡坐をかいては、創造の道を誤まる。
まだまだ、オノレという役者に染み付いとる、
あまりよくない〈演じる癖〉をなくし、
素朴に素朴に表現できるよう努力せにゃならん!

  心配のタネばかりだが…?!
Date: 2009-05-01 (金)
 五月である。
鯉のぼりはハタメイテモ、日本の経済は一向にハタメカナイ…。
心配である。
 失業者は優に三百万人を超えているとか…。
心配である。
 豚インフルエンザにやられないかとビクビクする毎日…。
心配である。
 こんな景気と、新インフルエンザ騒動の世相は、
来週の金曜日、初日を迎える独歩公演の客足に影響するのではないか…?
心配である。
 今さらそんな心配をしても、公演中止するわけにもいかんから、
「なるようにしかならんわい!」と、ケツをまくって、
オノレは自虐的に笑っている…。
心配である。
 心配に心配をしつつ、もはや前に進むしかない、今日この頃のオノレである!!