オノレのHP〈 お答えします 〉コーナ宛てに、 めずらしく演劇志望の学生さんからメールを頂戴しよった。 この〈 お答えします 〉は、1999年12月27日が最終更新日じゃけえ、 オノレ自身、こげなコーナーがあったことさへ失念しとった。 このコーナのメールアドレスは、 オノレのHPを管理してくださっとる〈 ビーグル 〉さんで、 届いたメールは、ビーグルさんを介してオノレに転送されとる。 まことにややこしい流れになってしもうて申し訳なァのだが、 このコーナーを設けた当時、 いろいろ困ったメールやら、なんやらがたくさん送られてきおって、 オノレが直接返信をしないですむようにしてくれちゅうて、 ビーグルさんに我がままオネガイしたちゅうわけで・・・、 ホンマ、もしこの十年間、誠実な内容のメール送っても返事がこんで、 ずんど怒っとる方がいたとしら申し訳なァ・・・。 オノレに免じて勘弁してくれんさい。 ほいで今日このコーナーに届いた学生さんのメールじゃが、 まことオノレが励まされ嬉しゅうなる内容。 あんまり嬉しいけえ図にのって、 ご本人にお断りしとらんのじゃが転載させていただく。 もしご本人さんが削除を希望されるなら、 ご面倒でもビーグルにメールしてくれんさい。 すぐ削除いたしますけえ !
はじめまして、K.Bと申します。 突然すいません。 ずっと前から、麦人さんの公式ホームページがある事は知っていて、 毎日のごとく、麦人さんのオノレ日記帳を拝見させて頂いております。 独歩プロデュース公演「海ゆかば水漬く屍」を観て、 別役実さんの作品で初めて笑い、感動することができました。 本当にありがとうございます。 実は私は大学で演劇を学んでおり、別役実さんの作品は今までに、 『天才バカボンのパパなのだ』『マッチ売りの少女』 『マザー・マザー・マザー』など観てきましたが、 お恥ずかしいのですが、集中力が続かず眠ってしまい、 最後まで観れず、正直、別役さんの作品は少し苦手でした。 しかし「海ゆかば水漬く屍」を観て、 上演する方々のセンスが優れていれば、 苦手な作品も面白く見れるのだと教えて頂きました。 それともう一つ、芝居のすごいところは、 観終わった後の数日間、頭の片隅で、 まだ自分の見た麦人さんの芝居の事を考えるように なりました。 一番、印象深かったシーンは麦人さんがクライマックスで、 仲間に首を締めさせて、その後に出た言葉、 「いや、よかったよ。」が今でも鮮明に覚えています。 私は小学生の頃から声優に憧れていましたが、 麦人さんが吹替えをされた海外ドラマ、 『スティーブン・キングのイット』に出てくる、 ピエロのペニー・ワイズに、今までに無いほどの強い刺激を受けました。 その時から声優というより役者として、自分の中にある内面の部分を、 思いっきり使って演技をしてみたいという気持ちが強くなり、 高校時代から役者を目指しています。 麦人さんに質問なのですが、 新しい役のために台本を読む時、どう取り組まれているのか、 どのように役作りされているのか教えて頂いてもよろしいでしょうか。 また麦人さんの好きな俳優や映画があれば、 是非、教えて頂きたいのでよろしくお願い致します。 (一部省略させていただいとります) こげえな内容で、オノレはちいっと照れくさいちゅうか、 穴があったら入りたいような気がせんでもなあ。 じゃけんど、上演した本人としちゃあ、 「海ゆかば水漬く屍」を観てくれんさっただけでもありがたァのに、 こうような心のこもった感想を、若い演劇志望の方から頂戴し、 もう嬉しゅうて嬉しゅうて・・・マイアガットル ! このK.Bさん、 『オノレ日記帳』をよく覘いてくれよっとるらしいけえ、 この場を借りて御礼・感謝を申し上げるとともに、 あまりうまく答える自信はなあが、 オノレなりにセイジツに回答させていただくわい。
〈 新しい役のために台本を読む時、どう取り組んでいるか、 どのように役作りしているのか・・・。〉
とにかく台本初見のときに感じたことを大事にしちょります。 初見のとき、笑ったところ、泣いたところ、 衝撃を受けたところなどをしっかりマークしておき、 稽古の過程において、なぜそうような感情になったのか、 またよく解らんところはどないしてなんじゃろかと、 オノレのオッム精一杯をめぐらして考えちょります。 ほいで暇さえあれば台本をひたすら読み込む・・・。 ええ台本には、わからんことの答えが必ずかくされとるけんのう。 とにかく創造するちゅうことは、宝島の宝探しをするように、 困難かつ愉しいもんだと思うて、いつも役創りしとるんですが・・・。
〈 好きな俳優や映画があれば、是非、教えて頂きたい 〉
好きちゅうか、尊敬する役者さんはぎょうさんあっとてじゃ、 ほいで好きな映画もたくさんあっとってじゃが、 K.Bさんと世代が違いすぎるけえのう・・・。 ほんでも、やはり黒澤明の初期の頃の作品はみんな好きじゃ。 「生きる」「酔いどれ天使」「七人の侍」etc・・・。 そいに出とられる役者さんたちも、ごっつうすごい人たちばかりじゃ ! ほいでもなあ・・・、ただ一人、 尊敬しとる好きな役者の名前をどうしてもあげいわれたら、 前進座という劇団におった中村翫右衛門というお人。 もう亡うなって二十年ほどになる思うが、 ほうじゃ、今テレビで活躍中の、中村梅雀のお祖父さんじゃが。 このお方かいのう・・・。 K.Bさんのご質問にうまく答えられたんじゃろか・・・? ちいッと心もとなァオノレだが、 とにかく嬉しいメール、ありがとうござりゃんした !!
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