オノレ日記帳

2010年4月の記録



  安藤みどりさん
Date: 2010-04-30 (金)
 四月も今日で終わり・・・。
黄金週間の五月がはじまるが、
オノレは普段と変わりばえのせん毎日かな・・・。
世間並みに五月六日まで仕事はないが、
その間、芝居を二つばかり観劇したり、
八月の独歩公演に参加するメディアフォースの若者たちを拙宅に招き、
スタッフとして、彼らの役割分担を決める打ち合わせをしつつ、
大いに食って飲んで気勢を上げたりする。
 その舞台、「父と暮せば」の稽古は六月半ばから。
今月頭に、主演の美津江役を予定しとった女優さんの降板という、
まことにシンドイ現実に直面し右往左往した。
で、俳優座の安藤みどりさんが美津江役をすることになった。
2006年秋、独歩の「はるなつあきふゆ」の舞台に出演し、
自殺した兄の日記帳をもって登場する女4役を好演した女優さん。
またNHK海外ドラマ "ER 緊急救命室" で、サム役を吹き替えている。
そう、今拙宅の庭では、白つつじが満開に咲いとるが、
そんな明るさとやさしさにみちあふれた女性である。

  現代の世捨て人・・・
Date: 2010-04-27 (火)
 「世捨て人」という語感からは、世俗をかえりみず、
深い山奥で自給自足、仙人のような暮らしをしている人、
オノレにはそんな感じがある。
(広辞苑では《世の中を見捨てて隠遁または出家した人、
僧侶または隠者》とある)
 馴染みの飲み屋でよくご一緒するオヤジさんの娘が、
女子短大を中退してから三十路も過ぎてしまった今日まで、
自閉症のように閉じこもり、まるで世間に関わろうとしないちゅう。
短大時代によほど酷い精神的打撃を受ける体験をしたのであろうか ?
しかし彼女はその口を貝のように閉ざし、
未だ親にさえ心を閉ざしたままの日々らしい。
 ま、見方によってはこの娘さんも、
現代の「世捨て人」といえるかもしれんなぁ・・・。
もっともおよそ自給自足をしとらんから、
もうすぐ還暦になるというオヤジさん夫婦の悩みは深い。

  二律背反の矛盾と危険・・・
Date: 2010-04-25 (日)
 ツルツル考えるに(ツルツル考えんでもそうなんだが)、
オノレのHPでブログちゅうか、
自身の日記を掲載し公開するってことは、
いわば天下にオノレの無知蒙昧を晒しとるてえことかもしれん。
ま、六十も半ば過ぎると、恥も外聞もだんだん感じなくなるから、
この日記を読んでくださる方々には申し訳ないが、
オノレに数多くの誤謬や考えの甘さ、
知識のなさがあったとしても、
「あって当然、シャアーなかんべえー」とケツをまくって、
否、腹を括って掲載しとる。
 ほいでもなぁー、もし「オノレ日記帳」が、
読んだ方と双方向でやりとりするかたちをとっていたら、
あの2チャンネルのごとき、
恐ろしいケースもままあるような気がして・・・、チト脅える。
 オノレの愚も醜も見透かされかねない公のブログには、
つねに二律背反の矛盾と危険を感じないではナイ。

  主権米国政府か !?
Date: 2010-04-22 (木)
 昨日行われた党首討論。
鳩山首相の発言を視聴し、オノレは愕然としたな。
米軍普天間基地移設問題についての発言はひどすぎる。
自民党の谷垣総裁から腹案(ことに徳之島)について問われ、
 「今、おたずねのことでございますが、私は今、
ここで腹案というものを持っていることは事実でございます。
しかし、それを当然のことながら、
『地元よりもまず、本当にこの腹案が、
アメリカに対して理解をされるかどうか』ということを、
水面下でしっかりとやりとりをしなければならない。
そのように思っておりまして、それをやらないうちに、
さまざま、地元のみなさんにこうなるからと言っても、
『先方(米国)が必ずしも、
そこに対して理解を示さないということになれば、
まったくある意味で地元の方に対して、
ご迷惑をおかけしてしまう。』
 徳之島のみなさん方にも、
あのように大きな集会をなさったということで、
われわれとして、まだ何も申し上げていない中で、
あのように懸念をお与えしてしまったということには、
大変申し訳ない思いであることは事実でありますが、
まだ腹案というものを、
やりとりをしている最中でありますだけに、
先方に対してそのことを今、
どこだから、だから頼むなどというようなことを、
この党首討論の立場で申し上げることができないことを、
どうか、谷垣総裁、ご容赦ください」
 『 』はオノレがカッテに付けたが、
とどのつまり、終戦からこれまで、
すべての日本国・総理大臣がそうであったように、
鳩山首相の根本姿勢も、
まず日本国民より、米国政府ありきちゅうことがよくわかる。
独立国家であるはずの日本には、
戦後65年過ぎて、未だ独立国家としての主権がないのか ?
鳩山首相の考える主権在民は、
やはり日本国民ではなく、主権米国政府か !?
 米国の顔色ばかりうかがい、我々日本人の主権在民と、
自主独立を主張できない属国政府が続く限り、
沖縄はもちろん、国内にある米軍基地の全てを、
米本土に撤退していただく平和な日々はこんだろう。
 もはや鳩山内閣に、ほとんど期待できんなぁー・・・。

  グリッソムからラングストンへ・・・。
Date: 2010-04-20 (火)
 オノレがレギュラー役(ブラス警部)で吹替えさせていただいとる、 
米TV映画シリーズ「CSI 科学捜査班」は、
現在第9シーズンを迎え、日本語版を順調に収録中。
で、このドラマの主役であったグリッソム主任が、
先週・第11話をもって捜査班を退任、出演しなくなってしまった。
長きにわたり主任を吹替えた野島昭夫ちゃんとも先週でオサラバ。
彼は文字通りこの番組の日本語版吹替えスタジオの現場を、
彼らしいリーダーシップで盛りたててきた。
九年間、ほんとにご苦労さんでした。
 グリッソム主任に変り、第10話から捜査班に加わったのが、
大学教授で医学博士であったラングストン。
で、何とこの役を吹替えるのが銀河万丈。
かつて「新スタートレック」のシリーズでウォーフを吹替え、
ピカードを吹替えたオノレとは、ま、気心知れた関係だ。
 万丈殿、久しぶりのシリーズ共演。
これからよろしく、お手柔らかにお付き合いを !

  切ないお話・・・
Date: 2010-04-19 (月)
 オノレの親しい声優仲間の間では、
去年あたりから不景気な話しばかりが口をつく。
仕事が激減した人もいて、我々をとりまく現状はかなり厳しい。
国の政策に余り大きな期待がもてん現状では、
収入減を補うため、自らできる可能な対策を考え、
無い知恵を絞りしぼり、自己防衛するより他ない。
もちろんオノレも、一昨年・去年と、少なくない収入減であった。
で、老いさらばえる今後の暮らしを見据え、
すでに生活防衛のため、あれこれしたり考えとる。
 去年は十年住んだ小平のマンションを何とかタタキ売って、
重たいローン地獄におちいる悲劇をとりあえず回避。
 七年続けた独歩プロデュース公演も、この八月でさよなら。
公演終了後、(有)の法人としての看板を外して個人に戻る。
芝居の観劇も、まことに辛いが今年は月数本。
酒は可能な限り自宅で晩酌。
アア・・・なんだか自棄に切ない気分になってきた。
 ま、煙草だけはやめられず、何とか吸わせて頂いとるが、
これも一箱五百円をこえた暁にはなァ !

  あえて苦言を・・・ !
Date: 2010-04-18 (日)
 南北線・王子神谷駅から、
徒歩十二分ほどの場所にある小劇場へ足を運んだ。
独歩の舞台に出演したり、
スタッフとして参加してくれた若者二人が出とったからだ。
その彼らのガンバリに大いなる拍手をして帰りたかったのだが、
休憩時間を幸いに劇場から逃げ出した・・・。
 で、将来ある若者たちに、あえて苦言を申し上げる。
作品そのものの稚拙さはさておき、
平田オリザの芝居をするとよく見かける、
モノトーンな、口先だけで喋る演技のモノ真似をしてどうする。
チト耳の遠くなったトシヨリには、ほとんど台詞が聞こえんぞ。
しかも十人の出演者全員が、
おしなべて無個性にそんな喋りで、
覇気のカケラもなくフワフワと浮遊しとる。
まるで地に足がついとらん幽霊の芝居かと思ったわい。
もしこれを「リアルで自然な演技」と信じているのなら、
この先舞台に出るのはあきらめたほうがよいかもしれん。
 多少下手くそでも、穴ぼこがあってもよい。
トンチンカンなヤツ。秀才面したヤツ。せこいヤツ。
短気なヤツ。大声で喋るヤツ。内気なヤッ・・・。
普段の君たちそれぞれには、
かようなそれぞれの「個性」があるはずだ。
せめてそういう一面を垣間見せてくれ。
さらに願えば、若者らしい、熱い思いをこめた、
決して「楽ではない」、
精一杯の稽古を積み重ねた演技に挑戦してくれ !
手間暇かかるせっかくの舞台ではないか !!

  天の動向
Date: 2010-04-16 (金)
 ようやく鼻ッ風邪が抜けた。
それにしても寒暖の差の激しい日が続く。
野菜を中心に、農作物への悪影響も深刻なようだ。
ま、天の動向は天におまかせするしかないのだろうが、
近年の異常な天候の根源に、
自然破壊に明け暮れる人類の愚かな文明社会があるのは間違いない。
その愚かさの極致ともいえる発明が核兵器。
 オバマが米国大統領になり、
線香花火のような明かりが点いたかに見える核軍縮への道だが、
核廃絶までの道のりは険しい・・・。

  何でもないところに・・・
Date: 2010-04-13 (火)
 すぐれた芝居の台本には、
一見何でもない台詞・ト書に、
劇作家の仕込んだ物語の核心の一部が、
あんがい多く隠されていたりする。
九日に永眠された井上さんのような劇作家の作品は、
まさにそのお手本といってもいいのかもしれん。
 一読して目立つ訴求力のある台詞、感動的台詞、
インパクトの強い台詞は、
実は目立たない、うっかり見過ごしがちの平凡な台詞、
具象的ト書によって支えられているのだともいえる。
創り手はこの目立たない部分を見落とさず、
しっかりその台詞やト書の役割を読みとることが大切だ。
ここをきちんとおさえて形象することにより、
山場にあるような目立つ台詞は、
より強い訴求力をもって客席に届く。
 芝居は、「何でもないところ」がオソロシイ。

  井上ひさしさん
Date: 2010-04-11 (日)
 今朝のニュースで、井上ひさしさんの訃報を知った。
(亡くなったのは九日らしい)
もちろんこの八月の独歩さよなら公演、
「父と暮せば」の作者であり、
戦後日本(昭和から平成まで)を代表する劇作家であり、
小説家であり、文明批評家でもある。
 井上さんは現代の鶴屋南北にも似た戯作者でもあり、
(いや、南北をも凌ぐ大戯作者のような気もする)
今後、日本で彼を超えるような劇作家は、
おそらくとうぶん出ないような気がする。
 また井上さんは、憲法「九条の会」を通して、
護憲と反戦を強く訴える平和活動家でもあった。
故にその作品の多くは、
風刺や皮肉、毒と笑いと涙にあふれた劇作術で、
戦争の愚かさや悲惨を、強い訴求力をもって告発する。
徹底して庶民の目線を基軸に、
戦争や不正に対する、飽くなき抵抗の姿勢を貫いてきた。
 結果として八月の独歩公演は、
井上さんを追悼する思いも込めての舞台になる。
永眠された大劇作家の作品に恥じぬ舞台を創らにゃいかん。
 日本の演劇界にとって、否、文化・社会にとって、
この稀有な劇作家を失った衝撃は大きい・・・。
 合掌 !

  笑えぬ話
Date: 2010-04-10 (土)
 年々もの憶えが悪くなる・・・。
というより思ったこと、気づいたことがあっても、
またたくまに忘れる。
 新聞で読んだのか、
テレビのインタビューだったのか憶えとらん。
小説家だったのか、評論家だったのか、何者だったのか、
これも失念してしまった。
が、その何者かの方が、
常に枕元にはメモ用紙と鉛筆を置いて寝るという。
寝床で思いついたことを忘れぬためだ。
で早速、オノレもこれを見習い枕元の小棚にメモを置いた。
ところが二、三日もすると、
そこに置いてあるということを、オノレのオツムは忘れとった。
 笑えんのう・・・。

  鼻ッ風邪
Date: 2010-04-09 (金)
 このところの寒暖の差の激しさゆえか、
オノレの体調管理に油断があったからか、
鼻ッ風邪をひいたようで、チトだるい。
今のところ咽喉にはきとらんが、鼻水タラタラ。
 風邪をひいたのはいつ以来か。
めずらしく去年はまったくひかなかった・・・と思う。
 仕事に支障をきたさぬよう、はよ治そう !

人ほえる春たけなわの鼻ッ風邪   麦  人

  紫大根の花
Date: 2010-04-08 (木)
ペチャクチャと紫花菜 (むらさきはなな) しゃべりおり  麦  人

 桃色椿の花は落ち始めたが、
どこぞの空き地から、
ヤマノカミが抜いてきて植えた紫大根の花。
( 別名・紫花菜 諸葛菜 ) 
しっかり土に根付いて、
紫の可憐な小花をたくさん咲かせとる。
オノレのツムッタような目にもまことに鮮やか。
 この花をヤマノカミはちょこちょこ摘んで、
部屋の小さな花瓶に挿してるが、
それでも枯れずに、健気に長い間ガンバっとる。
 野生は強い !

可憐ゆえ強さを見せぬ諸葛菜   麦  人

  大リーグが始まった !
Date: 2010-04-07 (水)
 米国の大リーグが始まった。
昨日はNHK・BS1とハイビジョン放送で、
マリナーズ・イチローとエンェジェルス・松井の二試合、
チャンネルを切り替え切り替え、二試合とも最後までTV観戦。
オノレはこのお二人のファンなので(日本ではファンでなかった)、
果たしてよいスタートが切れるか、不安なファン心理であった。
が、松井は勝ち越しのヒットと、
ダメ押しの開幕ホームランを放つ大活躍。
イチローもヒットが出て順調なスタート。
オノレは思わずバンザイ !
 やれやれ、今年も大リーグをTV観戦して、
何百時間、時間を潰してしまうのだろう ?
あまりバンザイしてお手上げにならんよう戒めよう !!

  介護の仕事を・・・
Date: 2010-04-06 (火)
 昨日から、ヤマノカミが介護の仕事をはじめた。
毎週二、三日。三時間から四時間ほどするようだ。
そろそろヤマノカミ自身が介護される立場の年齢なのに、
しっかり人さまを介護できるのであろうか ?
チト心配をしてしまうのだが、
連合いとして、やはりその志は良しと思わねばなるまい。
 いずれオノレの介護もよろしくたのむ !

  お花見
Date: 2010-04-05 (月)
 昨日の日曜日、東村山中央公園でお花見。
十二年前、癌で亡くなった芝居仲間の男を偲び、
彼の奥さんとお子たちを囲んで、
生前彼と付き合いのあった人たちが毎年集う。
 彼が亡くなったとき四、五歳だった末娘も、
この春から高校生。
その入学祝いも、満開の桜の下でささやかに祝った。
で、その娘の名前は「さくら」ちゃん。
 桜とさくらを愛でて祝ってよかったが、
ほんまに寒くて、ついお酒を飲みすぎた !

  マイッタ・・・コマッタ
Date: 2010-04-03 (土)
 昨夜は某劇場で、
オノレと親しい役者さんの客演しとる舞台を観劇。
あまりにお粗末な脚本&演出。
チト、否、まことにマイッタ。
 終演後、その友人の役者と、
主演しとった若い役者さんと飲んだ。
彼らに何と言ってよいのやら・・・まことにコマッタ。
 オノレも観てくれた友人をマイラセ・コマラセル、
そんな舞台を創っちゃならんなぁーと・・・自戒した。

  決意新たに・・・ !
Date: 2010-04-02 (金)
 独歩プロデュース公演は、
この八月の「父と暮せば」でピリオドを打つ。
2004年の「小さな家と五人の紳士」から足掛七年。
もはやオノレ個人の力でプロデュースするのは限界である。
「父と暮せば」は、独歩11作品目の上演となるが、
最後の最後に、これだけ深く人間の内面を描き、
普遍的テーマを描いた名作を上演できることは幸せだと思う。
 さて、これまでの独歩の舞台全てに、
「悔いが残る舞台は一つもなかった」と、
大いに胸を張りたいところだが、もちろんそんなことはない。
で、さよなら公演「父と暮せば」は、
お客様の評価はさておき、
オノレ自身がオノレに悔いを残すような舞台には、
何がナンデモしたくない・・・と、
決意新たにオノレは取り組んでおりますが・・・?!
(来年からは、余り予算のかからん、
昨日の日記に書いたような表現活動をしたいと思っとる)

  《うたう麦の会》 ?!
Date: 2010-04-01 (木)
 昨日のお昼、
今やオノレの最も信頼する女優、森うたうちゃんと会食。
来年から二人で立ち上げようと目論んどる、
〈語りの会〉ついて話がはずんだ。
で、その会の名称を、とりあえずオノレは、
《うたう麦の会》と命名したのであるが、
うたうちゃんの反応は決してワルクナカッタ !?
 さてオノレはこの場で、
来年二月、この回の旗揚げ公演にしたい思っとる、
「今日は死ぬのにもってこいの日」という原作をもとに、
およそ一ト月ほどかけてオノレが構成した台本をお渡しした。
(実はこの作品、今年二月、
うたうちゃんが某グルーープの朗読会に客演し、
とにかく素晴らしい語りをした、
米インディアンの世界を描いたもの)
 夜、彼女から電話がきて、オノレの構成台本に◎。
おおッ、ヤッタゼ !!