私の独演に『ごびらっふの死』と、もう一つレパートリィーを加えよう・・・
そういう想いにかられたのは、1995年頃でした。
ある日、親子三人のたいへん大まかなストーリーが頭に浮かび、
やがてそれは我が淡白な脳に澱のようにこびりつき、とれなくなってしまったのです。
しかしその時点では、或る形はあっても、まだエイリアンのように正体不明で、
具現化するにはどうしたらよいのか霧の中・・・
ええい、ままよ! とにもかくにも頭に浮かんだことを文字にしていけ・・・
その日から、ワープロと私の涙ぐましい戦いがはじまったのであります。
そしてもう自分でも数えきれぬほど書き換え、
その間、私の多くの友人や演劇仲間に読んでもらい、為になる批判、知恵を授かり、
尻たたかれ、励まされ、ようやく1998年初冬に脱稿しました。
そして1999年五月「舞台にのせても、客の鑑賞になんとか耐えられる」
とまあ自分勝手に確信し、東京・三鷹駅前「武蔵野芸能劇場」にて、
初演の幕を開けたのであります。
その初演では、予想以上に多数のお客様に観て頂くことができました。
実に率直で誠意に溢れた内容の感想葉書もたくさん頂戴致しました。
それはこの芝居の今後の上演活動にとって、大きな励ましと力になるものです。
私はこのような皆様方の『リュックサック』に対する御意見と励ましに応えるためにも、
初演の成果と反省をつぶさに検討し、
今後の公演に於て、より見応えのある作品にしていかねばと強く思っております。
ではドラマのストーリーをちょっとだけご紹介すると・・・
焼き鳥屋『乙女獅子』の夫婦は、歳がいって、ようやく一人息子の子宝に恵まれます。
息子は少年・高校・大学野球と活躍し、
「こりや、ひょっとしてプロ?」と夢がふくらむ毎日です。
店には、鳶、公務員、若い娘など、やさしく、気のいい常連が顔をのぞかせ、
今日も今日とて四方山話・・・さて、そんな夫婦の生活に・・・
ありふれた庶民のありふれた家族。しかし決してありふれてはいない家族の愛と絆。
老いと希望。そして「生きるって何だろう・・・」
日本国中・・・何処へでも、小さな規模でも出前公演を致します。
一つ声をかけてみて下さい!
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